出産施設がない町に「安心して出産できる場所を」 新設の助産院に密着 “50年ぶり”赤ちゃん誕生『every.特集』
「海とつき」の院長を務めるのは助産師の岩田美也子さん。
海とつき 助産師 岩田美也子 院長
「全く縁もゆかりもなかったんだけど」
「産むところがないと子育て支援にならない」
5年前、地元の住民が“助産院をつくろう”と立ち上がり、足りない資金はクラウドファンディングで集めました。
このプロジェクトに賛同したのが岩田さんだったのです。岩田さんは大学病院で助産師として勤務したのち、川崎市内の助産院で院長を務めていました。
岩田院長
「産んでよかったと思えるような、お産をしてもらいたい」
助産院とは、医師ではなく助産師が妊娠・出産・産後のケアを行う施設。妊婦に異常がみられた場合に備え、小田原市の病院と連携をとりながら、妊婦の希望に添った形でお産をすることができるといいます。
「おはようございます」
この日は、母親たちの相談会が行われました。
相談会に来たお母さん
「全然最近ミルク飲まなくなっちゃった」
相談会に来たお母さん
「今コメ高騰で離乳食が“パンがゆ”になっているって」
気軽に子育ての相談ができる拠点でもあるのです。
4月下旬、岩田さんのところへ妊婦健診に訪れた小林さん(5月出産予定)。
海とつき 助産師 岩田美也子 院長
「測りますね」
「腰痛い?大丈夫?」
「とても元気だし、体重もそんなに増えてなくて、でも中の赤ちゃんはしっかりあるので、とてもいい状況」
どうしても助産院で産みたい理由がありました。
小林 侑さん
「(1人目が)コロナ禍なのもあって1人で出産だったから」
夫と4歳の長男、大心くんと出産したいというのです。
小林さん
「とりあえず家族がいる時、道が混んでいない時に出てきてくれればいいなと。それだけですね。あとは元気に生まれてきてほしい」
出産予定日の約2週間前、助産院に小林さんの姿が。出産の兆候が見られ、急きょ岩田さんに相談。そのまま産むことになったのです。