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『VRでしか出来ない何かを創造する』とかもう本質を見誤ってるのにまだ気が付かないのはなあぜなあぜ?

はじめに

VRに関するツイートがまた炎上している。まぁ大体こういう炎上っていうのはループものよろしく同じ話題なんだけど、今回、このnoteで全てに決着をつけようじゃないか。

今回の炎上の発端は海外ニキが、VRの作り込んだゲームワールド?を作ったが、あんまり伸びなかったことに対してお気持ちをしたことらしい。まぁ、それはいい。頑張って作ったのに伸びなかったら文句の一つも言いたくなる。

それに対する引用で、こういうツイートがされた。

端的にいえば、「ただただ集まる場所ばかりがVRChatで増殖し続けているのは「異様」であり、その異常性の原因はワールド制作の難易度と収益システム」と因果関係を論じているわけだ。

この言説について、「異様」かはともかく実態を反映していると思う。ただ、その因果関係は違うのではないか?と考えた。
そうこうしているうちに、以下のツイートに出会った。

ことここに至り、ようやく因果関係の違いに納得がいったので、それをまとめるものとする。

結論を先に述べれば、そしてこれは多くのVRクリエイターを刺激する言葉であるが、「VRにとって「VRでしか体験できないこと」は多くの場合余計で、不要で、いらない」ということだ。そしてこれは、ユーザーとクリエイター、あるいはVRの運営者とのギャップをも示しているのだ。

日常と非日常

そもそも「VRでしか体験できないこと」ってのはどういうことだろうか?宇宙空間に行ったり、複雑な空間系ゲームを攻略したり、自分が砲弾になって人間砲台をやったり、モンスターをハンターになって倒したり、そういうことだろうか。あるいは、一時期錦の御旗のように掲げられていた「なりたい自分になる」とかであろうか。

確かに、そういう面は大いにある。そういう体験は正しくVRでしかできないものであるし、それは楽しい。当たり前だ。
そして、こういったところに強い有用性と創造性を感じるというのは十分理解可能である。

しかし、それはあくまで一過性、一時的な楽しさである。そういった体験は、はっきりいって疲れる。いくら楽しいからっていって、ずーっとゲームをし続けると流石にしんどいように、ましてや空間的広がりのあるVR空間での「VRでしか体験できないこと」は、プレイヤーの体力を奪う。楽しいが、ずっとは続けていられないもの。それが「VRでしか体験できないこと」としてあらわされるゲームであったり、各種体験なのだ。

言い換えれば、「ハレとケ」の「ハレ」側の行為である。いくら夏祭りが楽しくても、四六時中夏祭りが開催されていたら飽きるし疲れる。圧倒的に長い日常生活=「ケ」があるからこそ「ハレ」である行為に、抑圧からの解放という意味が持たされるのではないか。

「VRでしか体験できないこと」は、一過性のものとしては楽しい。しかしそれは疲れる。これがここまでのひとまずの結論だ。

日常に埋没する

一方で、現在の「異様な」部屋・酒場系ワールドの増殖は、VRSNS=VRChatにおけるユーザーが、VRChatを「ケ」、つまり日常にくみこんでいることを表している。つまり、淡々としていて、繰り返し行われる営みであり、「ケ」の行為である。

日々の生活の一部に組み込まれたVRにおいて、「ハレ」のような楽しさ、大騒ぎは必要ない。疲れる行為ではなくユルく癒される行為へ。コンテンツを楽しむのではなく、会話などのコミュニケーションを楽しむことへ。そこに重点が置かれるのだと考えられる。

この意識の差こそが本質だ。クリエイターとユーザーのギャップだ。クリエイターや「VRでしか体験できないこと」を強く主張する人々は、VRChatを日常と切り離された非日常的な、一時的に体験する「場」と考えている。だからこそ上質で、体験者を興奮させるアクティブなコンテンツが必要だと考えている。そのために、VRSNSにワールドを制作した。

一方でユーザーは、VRChatはもはや日常の一部であり、「VRでしか体験できないこと」は時々やればよいものとして考えている。だからアクティブなコンテンツはそこまで求めない。代わりに、人々とコミュニケーションできる落ち着いた「部屋」を欲しており、それらが「異様」な光景、つまり酒場やchillが新着の大半という状況を生んでいるのだ。

なので、一般ユーザーから言わせてもらえば、クリエイターに必要なのは「市場調査」だ。こういう構造をちゃんと把握していただろうか。収益構造の前に、そもそも現在のVRChatが「どう」なっているのかを把握していただろうか。構造を批判するにしても、収益構造以外に問題がないか考えられなかったろうか?

というのが、この炎上の本質である。言ってしまえば「需要と供給のミスマッチ」でしかない。

VRの本質

こういうと、引用した2つ目のツイートのように、「コミュニケーションが重要なら、じゃあリアルであって飲みに行きましょうや!」みたいな意見がみられると思う。が、それはそれでVRという新技術の本質を見失っている。

VRという新技術の本質は『距離を無視して立体的なコミュニケーションがとれる』ことにある。

どういうことか。つまりこうだ。例えば私が頻繁にVRSNSで会う人は、青森と、姫路と、名古屋と、高知と、熊本に住んでいる。私は東京に住んでいる。彼ら/彼女らと会うのは大抵平日の深夜だ。もちろん、全員翌日は仕事だ。
こういう環境にあって、「リアルに会おう」「飲もう」はいくらなんでも無理である。到底無理である。

じゃあ日時を決めて会おう!となっても、密度が段違いである。休日に集まって飲もう!と言っても、これだけ様々な土地に住んでいる人が集まるとなれば、スケジュール調整は大変だしお金もかかる。そうやってようやくあっても月に1回数時間が限度だろう。
それに比べてVRChat内でなら、毎日深夜まで話してもOKだ。スケジュール調整も数時間や数日程度でいいし、そもそも調整しなくてもダラっと集まれる。お金も通信費以外にはかからない。

上記のような『距離を無視したコミュニケーションが可能』という点こそが、VRの革新的な点だ。もちろん、zoomなどでも同様のことが可能であるが、立体的なコミュニケーションが可能という点で大きく異なる。
その利点は色々あるが、一番わかりやすいのは、身振り手振りをふまえたコミュニケーションがzoomよりも分かりやすく可能という点だろう。
あるいは、zoomと違って複数の話題が併存しやすいという点も重要だ。

こうしたことをふまえれば、実は「VRでしか体験できないこと」は今回の炎上の発端であるクリエイターの方が本質を見誤っていて、ユーザーの使い方の方がよっぽど本質的だ、ということもできる。

そして、最後に付言しておけば、こうした距離を無視したコミュニケーションが可能という点は、社会的にも大事だ。
多くの人は、同じ地域・同じ学歴・同じ知的レベルなど、同質なコミュニティの中で生きる。地域性はいわずもがな、受験を繰り返すことで付き合う友達の知的レベルも大体似通ったものになる。そうすると、意識せずともエコーチェンバー現象を引き起こしてしまい、まるで自分のいる地域や社会的階層こそが唯一絶対の普遍的平均だと誤認してしまう。

恥ずかしながら、自分もそうだった。都内でずっと暮らしてきた人間と、地方でずっと暮らしてきた人との視点の違いに愕然とし、そして自分の見識の無さを本当に恥じた。無意識にどれだけの差別意識があったのかを反省した。

だが、距離も学歴も職歴も全く違う人たちが雑多に集まることのできるVRChatであればそうはいかない。様々な地域の人、様々な学歴で様々な地域の人とコミュニケーションをすることで、昨今否定的なニュアンスの方が大きくなっている『多様性』への理解を、真に深めることができる。

ここにこそ、VRChatの本質があり、それこそが真に「VRでしか体験できないこと」があるのだ。

おわりに

結局この話は、VRをどういう風に活用しているか?の差でしかないと思う。作る側と受け取る側、その両者にはそもそも認識のズレがある。それに気づいていたか、いないか。その差が今回の炎上を生んだのだろう。

いずれにせよ、VRを「ハレ」と扱うにせよ「ケ」と理解するにせよ、ここで述べた「本質」を捉え損ねてはいけない。
この「本質」を見過ごし続ける限り、必ず似た炎上は起きるし、お気持ちは起きる。

日常生活、「ケ」の中に入り込むことこそ、新技術が浸透する唯一の答えだ、と私は思っている。
出た当初はとんでもなく大きくて、使いにくかったショルダーホンも、本質をズラさず「遠隔地の人と最小限の労力でコミュニケーションをする」機能を多角化させていったからこそケータイになり、スマートフォンになり、浸透していった。

VRChatにおける「日常」に目を向けることから、今回の炎上に関する視点や新解釈を考えて見てほしいと願う。それが本noteの結論である。

本noteに対する批判、批評などは全て開かれている。Twitterなりコメント欄なり、あらゆる場所で「常識的な範囲で」何を言ってもらっても構わない。思うことはしっかり、言葉に残してほしい。以上でまとめを終える。

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コメント

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『VRでしか出来ない何かを創造する』とかもう本質を見誤ってるのにまだ気が付かないのはなあぜなあぜ?|ニッソちゃん
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