「日本人ファースト」で傷つかないように 教員らが声明、署名も開始

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山本知佳
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 7月の参院選で広まった「日本人ファースト」の言葉が子どもたちの間で広がり、傷つく子が出てしまうのではないか――。海外にルーツのある子の教育に関わる教員らから、心配する声が上がっている。

 海外ルーツの子どもの教育に関心のある教員らでつくる全国在日外国人教育研究協議会(全外教)は9日、「言わない・言わせない『日本人ファースト』」と題した緊急声明を発出。また、全国の教育委員会に対し、すべての子どもたちが孤立せず平等に学べるよう、学校への適切な指導を求める署名を始めた。

 参院選では「日本人ファースト」などの言葉が使われ、外国人政策の是非が争点化。複数の候補者や政党が排外主義的な主張を展開した。

 全外教の会長を務める神奈川…

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この記事を書いた人
山本知佳
社会部
専門・関心分野
教育、大学、海外ルーツ、ジェンダー
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    鈴木江理子
    (国士舘大学教授=移民政策)
    2025年8月13日17時43分 投稿
    【視点】

    子どもたちと日常的に接する教員が問題意識をもち、声明を発出したことは、とても心強い。  2021年に実施された日本財団の18歳意識調査では、小学校の同じ学年に外国ルーツの子どもがいたと回答した若者が32.5%、小学校の同じクラスにいたと回答

    …続きを読む
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    福原麻希
    (医療ジャーナリスト・介護福祉士)
    2025年8月13日20時45分 投稿
    【視点】

    参政党の神谷代表は「日本人ファースト」について「自国民を第一に考える政治が必要」と主張していた。そして、その後「選挙のための言葉。排除を意味するわけではない」と言うが、「自国民を第一に考える」は分断を推し進めると批判されている。日本人にとっ

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