明日は待ちに待った久しぶりのお出かけというのに不幸な事に女の子の日が被ってしまった。そろそろ来るんだろうなって思っていたけどまさか今くるとは、、。
最悪のタイミング…今くるとかふざけてる…明日久しぶりに出かけるのに…
修)美羽?あれ、?どこいった?
光)美羽ならトイレ入っていったよ。
トイレ入っておわって今洗面所で顔洗ってますけど?って思いながら兄達の会話を盗み聞き。
光)ふぅ……あぁーだりぃーわぁー
修)うるせぇよ、だりいのは皆一緒だろ。
光)……今日頑張れば久々の休み、、はぁー。
修)はいはい。とっとと食べて仕事行きましょうね。
今日も変わらず通常運転な双子の兄たち。
美羽)朝から元気だね、兄達。
光)おはよ、美羽。こうやって叫ばないとやってけねえ〜
修)おはよ。何言ってんだか。頭おかしくなりましたか、お兄さん?診ましょうか?
光)え、遠慮しておきます...
修)はぁ...美羽もご飯食べて学校いきな〜。
修兄の「診る」って言葉にあまり体調が良くないってことバレたのかと思って一瞬ハッとなってしまい驚いてしまった...
朝ごはん食べる気力が湧かないけれども...食べなければ医者2人に怪しまれてしまうので食べられる範囲で食べ家を出る
美羽)いってきまーす!!
光・修)行ってらっしゃい。
【光・修side】
学校に登校する美羽を見送ってから、ふと気づく。
修)あいつ...全然食べてないじゃん。
光)珍しっ..いつもなら完食なのに。食欲湧かなかったとか?
修)...後で聞いてみないと。
光)......なぁ、修。お前なんか薬飲んだ?薬の空あんだけど。
光の手には確かに市販の薬の空が。裏面に薬名書いてあることを知ってるので裏返してみてみると「鎮痛薬」。
修)いや、違う。飲んでない。
光)...だとしたら、美羽か?いつの間にこんなの飲んでたんだ
修)わかんない。本人帰ってこないとなんとも言えん。
光)よし、帰ってきたら事情聴取だな。
【美羽side】
薬飲んで来たのにもかかわらずお腹が痛い。全然効いてないじゃん。あの医者双子の前で薬飲んでんのバレたらめんどくさくなると思ってバレないように隙を見て飲んできたというのに。
佳穂)ため息ついてどうしたの、美羽?
美羽)あぁ...お腹痛くて...はははっ。
佳穂)もしかして生理とか...?
美羽)うん...。はぁ...
佳穂)最悪じゃん。今日体育の授業なくて良かったね...
美羽)それな、、。あったら死んでたかも...笑
佳穂)薬飲んだの?飲んでないならあげようか?私あるよ?
美羽)大丈夫...飲んだから。ありがと。
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン((チャイム音))
佳穂)じゃあ、美羽、また後で。
美羽)う、うん。
佳穂)なんかあったら言ってね。
そう言って彼女は自分の席へと戻っていった。
授業は着々と進んでいく一方で生理痛は酷くなり、最悪なことに腰痛まで出始めた。早く家に帰りたいと思いながら授業を受け待ちに待った帰りのチャイムが鳴る。
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン((チャイム音))
美羽)やっと...終わった...はぁー...。
佳穂)美羽、帰ろ?大丈夫?
美羽)あ...うん。なんとか大丈夫...帰ろ。
佳穂とバスで別れたあと家までの道を歩いて向かう。動いてる分には痛みが軽減されなくもない気がする..よくわからない。とりあえず帰ったら、横になろう。
今日は随分と患者さんの数少ないんだなと思いながら裏の玄関へと向かう。多分鍵開いてるだろうとドアノブを回してみたが鍵がかかっていた。こんなこともあろうかと家の鍵を持ってきていたんだと思い探すが無かった。
「うわ...まじか。あ......朝入れるの忘れてた...」
痛恨のミス。仕方ない、これは医院の入口の方から入るしかないと思った私は医院の方へとむかう。これもしかしたら、患者と間違われるんじゃ?と思いながら入る。
中に入ると患者さんの姿が数えるぐらいしかいなくて、既に診療を終えて会計待ちの人もいれば呼ばれて診察室に行く人もいればと様々だった。
医院からあまり入らないから家の方に続くとこどこだっけと思い受付の看護師さんに聞くことに。。
看護師)こんにちは〜、今日はどうされましたか?
美羽)あっ...いや、その診察に来たわけじゃなくて...家の方に続くとこって...そのどこにあるか...わかり...ますか。
看護師)えっと...家の方にですか...
?)それは後でお教えいたします、お嬢さん。今は私と一緒に診察室に来てもらってもよろしいですか?
右肩にポンっと置かれた手。そして声のする方に振り返ると白衣をきた修兄が立っていた。しかもなんかお怒りになっていらっしゃる?
看護師)あら...先生。えっとこの方はどちら様で...?
修)ごめんね、あんまこっちに顔見せないからわからなかったよね。この子俺の妹。美羽っていうのよろしくね。
看護師)い...妹さんでしたか...ご、ごめんなさい。私てっきり新患さんかと。
修)全然大丈夫。俺たちがちゃんと紹介してなかったからごめんね。後でみんなに紹介しようと思ってたんだけどさ。まあ、ってことで、美羽、いいよね?
ああ...このお方はとても不機嫌だ。ニコニコ笑顔なのにとてもフツフツと怒りが伝わってくる。光兄と喧嘩でもしたのだろうか、、それとも。。
―診察室にて―
不機嫌な彼の言うことを聞かなければどうなるか私は分かっていたので抵抗もしたかったがあの場で抵抗など出来はしない。そのため修兄の言われる通りに診察室へと足を運ぶ。
診察室に入るとなぜか光兄の姿が。あれ...おかしいな。まだ患者さんいるはずなんですけど、なんでお二人さん揃ってるんでしょうか。
光)とりあえず、そこ座って。
光兄の言われるまま、ベッドの方へと腰をかける。
なんだろう...この2人から感じられるフツフツとした怒りのオーラは。早くこの場から逃げ出したいんですけど。。
光)なんで呼ばれたかわかる?
美羽)...喧嘩したの...?
光)え...?
美羽)2人とも機嫌悪いから喧嘩したのかなって...。
修)喧嘩はしてない。喧嘩してたらこうやって一緒にいないだろ笑
美羽)あ〜...確かに。じゃあ...なんで?
修)この薬の空、見覚えある?
修兄の手元には、朝私が飲んだ薬の空だった。なんでバレてしまったのだろうか。ちゃんとゴミ箱に入れたはず...。
美羽)えと...知らない。それ誰飲んだの、私のじゃないよ
光)この薬初めてみたんだよね。俺たちのでもないし。
美羽)お母さんとかお父さんとかのかもしれないじゃん...?
修)一応2人にも確認取ったんだけど、違うって言われたよ。
光)美羽? なんか隠してない?
やばい...こんなの言えるわけない。生理痛酷くて薬飲んでますとか男の人に普通に言えるわけないじゃないか。もうこれは逃げなきゃ。
美羽)ち...違うからっ!!私のじゃないからっ!!
そう言い放って私は診察室から出ようとするが、修兄に手首を掴まれ振り払おうとしても出来ず、元の場所へと戻される
修)まだ話は終わってない。
美羽)だから、私のじゃないってっ!!
修)美羽、わかったから。とりあえず落ち着きなさい。
もう訳が分からなくてイライラが増して遂には兄たちに気持ちを全てぶつけてしまった。
美羽)なんで薬の空発見したからってこんな怒られなきゃいけないの。別にいいでしょ?私が何飲んだって。兄達には関係ないじゃんっ!!
光)ごめん。でも薬飲むってことはどこか悪いのかなと思って聞いてみたの。別に怒ってるわけじゃないよ?心配してるんだ。
美羽)心配されるようなことしてないしっ...勝手にそんなことしてんのそっちじゃん!!
修)美羽...。
美羽)私、帰るからっ、もう放っておいて!!
勢いよく診察室の扉を開け放ち出ていく。後ろで私を呼ぶ兄達の声が聞こえたがそんなの構い無しに家の方へ。お母さんかお父さん帰ってきてたのか鍵が開いていた。
玄関の扉開けて、そのまま自分の部屋がある2階へとかけ出す。途中で「おかえり〜」とお母さんの声が聞こえたが無視
部屋の中に入り、ベッドの上へとダイブ。
もう頭の中がぐちゃぐちゃだ。なんであんなこと言ってしまったのだろうか。てか元はと言えば、過保護すぎる兄達のせいだ。あんなことで問い詰められて説教するとか意味わかんない。
明日は久しぶりのお出かけなのに...もう最悪...
つづく