万能すぎる神アプリ「Raycast」とは
はじめに
皆さんはRaycastというアプリをご存知でしょうか。
簡単に言うと、MacのSpotlightを大幅に強化したようなランチャーアプリなのですが、実はそれ以外にも様々な機能が備わっています。
今回はこの万能すぎる神アプリ「Raycast」が、実は多くの定番アプリの機能をカバーしているという事実を共有したいと思います。
よく紹介される定番アプリ、実はすべてRaycastでできます
1. ClipyやPaste → 「Clipboard History」・「Snippets」
クリップボード履歴アプリの定番「Clipy」。無料で使えて軽量、シンプルな点が愛されていますが、テキストしか保存できないという制限があります。
一方、有料アプリの「Paste」(月額$1.99〜)は、美しいUIと画像対応が魅力ですが、サブスクリプション制で継続的なコストがかかります。
Raycastの「Clipboard History」は、両者の良いところ取りをしており、テキストはもちろん、画像、スクショ、さらには動画まで保存可能です。
履歴内を検索できる機能も搭載しており、「あの時コピーしたやつ」がキーワード検索ですぐ見つかります。
無料版でも3ヶ月分の履歴を保存できるので、実用上十分。Clipyのシンプルさと、Pasteの高機能を併せ持ちながら、追加料金はかかりません。
Clipyには定型文機能もあり、これを重宝している方も多いと思います。
Raycastの「Snippets」機能なら、さらに高度な定型文管理が可能です。例えば「;addr」と入力するだけで住所が、「;sig」でメールの署名が瞬時に展開されます。
特に便利なのが動的プレースホルダー機能。日付や時間を自動挿入できるので、「本日(2024/12/20)はお忙しい中...」のような、その日の日付が入った文章を自動生成できます。これはClipyにはない機能です。
クリップボード履歴と定型文機能、この2つを別々のアプリで管理するより、Raycast一つで完結できるのは想像以上に快適です。
2. RectangleやShiftIt → 「Window Management」
ウィンドウ管理アプリで有名な「Rectangle」や「ShiftIt」。どちらも無料で優秀なアプリです。
Rectangleは活発に開発が続いていて人気ですが、メニューバーに常駐し、別アプリとして管理が必要です。ShiftItは長年愛されてきましたが、2019年以降更新が止まっており、最新のmacOSでの動作に不安があります。
Raycastの「Window Management」機能は、驚くほど高機能です。
基本的な配置(RectangleやShiftItと同等)はもちろん
・「Left Half / Right Half」画面を左右に2分割
・「Top Half / Bottom Half」上下に2分割
・「Maximize」最大化
・「Center」中央配置(サイズそのまま)
・「Toggle Fullscreen」フルスクリーン切り替え
さらに細かい分割も可能
・3分割: 「First Third / Center Third / Last Third」画面を3等分
・4分割: 「Top Left Quarter / Top Right Quarter / Bottom Left Quarter / Bottom Right Quarter」画面を4分割
・6分割: 上段と下段それぞれを3分割(Top/Bottom × Left/Center/Right)
・その他: 「Reasonable Size」画面の60%サイズ(最大1025×900px)に調整
複数ディスプレイにも完全対応
・「Next Display / Previous Display」で瞬時にディスプレイ間移動
・各ディスプレイで個別の配置を記憶
カスタマイズ機能あり(Pro版)
・カスタムコマンド: 自分好みのサイズ・位置を細かく設定(ピクセル単位または%指定)
・Window Layout: 複数アプリの配置を一括設定・保存
・Gap設定: ウィンドウ端の余白を0〜128pxで調整
各配置にHotkey(ショートカットキー)を自由に割り当て可能
・「Control + Option + 左矢印」で左半分配置
・「Control + Option + 1〜6」で6分割配置
・自分だけのカスタム配置も登録可能
RectangleやShiftItでできることはすべてカバーし、さらにその上を行く機能性。アプリ管理も一元化でき、常に最新のmacOSに対応しているので安心して使い続けられます。
3. KeyboardCleanTool → 拡張機能「Clean Keyboard」
キーボード掃除用にキーを一時的に無効化する「KeyboardCleanTool」。
Raycastの拡張機能ストアから「Clean Keyboard」をインストールすれば同じことができます。Raycastを起動して「Clean」と入力するだけで、キーボードが30秒間(設定で変更可能)無効化されます。
4. ショートカット管理アプリ → 「Hotkey」・「Alias」
Keyboard Maestro、BetterTouchToolなどのショートカット管理アプリは、高機能ですが、学習コストが高く設定も複雑です。
Raycastなら、すべての機能に「Hotkey(ホットキー)」と「Alias(エイリアス)」を設定できます。
Hotkey - グローバルショートカット
どこからでも一発起動。アプリを開く手間すら不要。
・「Command + Shift + D」でDownloadsフォルダを即開く
・「Control + Option + Command + C」でカラーピッカー起動
・「Command + Shift + N」で新規ノート作成
・よく使うWebサイトも一発で開ける
Alias - コマンドの短縮形
Raycast起動後、短いキーワードで素早く実行。
・「f」+ スペース + ファイル名 → File Search(通常は「File Search」と入力必要)
・「proj」→ プロジェクトフォルダを優先表示
・「yt」+ スペース + 検索ワード → YouTube検索
・「cal」→ カレンダーを表示
使い分けのコツ
Hotkey向き: 引数不要で即実行したいもの(ウィンドウ配置、アプリ起動、フォルダを開く)
Alias向き: 検索や引数が必要なもの(ファイル検索、Web検索、翻訳)
両方設定: 超頻繁に使うもの(例:メモアプリを「Command + Shift + N」でも「n」でも起動)
設定の簡単さ
1. Raycast設定 → Extensions を開く
2. コマンドを選んで、Alias欄に短縮形を入力、またはHotkeyをクリックして押すだけ
3. 即座に使用可能
BetterTouchToolのような複雑な設定画面も、Keyboard Maestroのようなマクロ作成も不要。直感的に、誰でも簡単に設定できます。
しかも、すべてのRaycast機能(標準機能も拡張機能も)に適用可能。1000以上の機能すべてに、自分だけのショートカットを作ることができます。
意外と知られていないRaycastの便利機能
電卓と単位変換
意外と知られてないですが、Raycastの電卓機能が非常に優秀です。
基本的な計算はもちろん
・「1500*1.1」→ 1650
・「52% of 900」→ 468(%計算も自然に)
・「square root of 625」→ 25(数学的な質問も理解)
・「2 power 10」→ 1024
単位・通貨変換も可能
・「100ドルを円に」「100 usd in jpy」→ リアルタイムレート
・「5 btc in gbp」→ 暗号通貨にも対応
・「10ft in m」→ 3.048m(単位変換)
・「3時間を分に」「3 hours in mins」→ 180分
時差計算・タイムゾーン変換
・「5pm ldn in sf」→ ロンドン17時はサンフランシスコ何時?
・「time in tokyo」→ 東京の現在時刻
日付計算
・「monday in 3 weeks」→ 3週間後の月曜日は何日?
・「days until 31 Mar」→ 3月31日まであと何日?
・「145 mins to timespan」→ 2時間25分
便利なショートカット
・Enter:答えをコピー
・Command + Enter:フォーマットなしでコピー(Excel貼り付け用)
・Command + Shift + Enter:式と答えを両方コピー
計算履歴も残るので、さっきの計算結果を再利用したいときも便利。わざわざ電卓アプリを開く必要がありません。
文字数カウント
「Word Count」で選択したテキストの文字数を瞬時にカウント。ブログやSNSの投稿、レポート作成時に重宝します。文字数カウントのWebサービスをブックマークする必要がありません。
カラーピッカー
「Color Picker」で画面上の色を取得。HEX、RGB、HSLなど様々な形式でコピーできます。SipやColorSnapのような専用アプリの代わりになります。
パスワード生成
「Password Generator」で強力なパスワードを瞬時に生成。大文字・小文字・数字・記号を含む安全なパスワードを作成できます。長さや複雑さもカスタマイズ可能です。
プロセス強制終了
「Kill Process」でフリーズしたアプリを強制終了。アクティビティモニタを開かなくても、Raycastから直接プロセスを検索して終了できます。App Tamerのようなプロセス管理アプリの基本機能をカバーします。
ポモドーロタイマー
「Pomodoro」で25分の作業時間をスタート。Be FocusedやTomatoのような専用アプリを使わなくても、集中力を保つタイムマネジメントができます。
拡張機能ストアで広がる可能性
これまで紹介してきた機能は全体のごく一部で、公式の拡張機能ストアには、1000以上の拡張機能があります。
仕事効率化の定番
・Notion: ページ検索、データベース操作、新規ページ作成
・Slack: メッセージ送信、ステータス変更、未読確認
・Linear/Jira: イシュー管理、ステータス更新
・Figma: ファイル検索、最近のプロジェクトへのアクセス
・GitHub: PR/Issue管理、ワークフロー実行、通知確認
開発者向けツール
・Git Repos: ローカルリポジトリを検索してVSCodeで開く
・Docker: コンテナ管理、イメージ操作
・npm/Homebrew: パッケージ検索・インストール
・Port Manager: 使用中のポート確認・プロセス終了
・ray.so: 美しいコードスニペット画像を生成
クリエイティブ系
・Adobe Creative Cloud: アプリ起動、プロジェクト管理
・Spotify/Apple Music: 再生コントロール、プレイリスト管理
・Unsplash: 高品質な画像を検索・ダウンロード
・Lorem Ipsum: ダミーテキスト生成
コミュニケーション
・DeepL/Google Translate: 選択テキストの即座翻訳
・Zoom: ミーティング開始・参加
・Microsoft Teams: チャット、通話、カレンダー連携
・Discord: サーバー切り替え、ステータス変更
生産性ツール
・1Password/Bitwarden: パスワード検索、2FA取得
・Todoist/TickTick: タスク追加・管理
・Raindrop.io: ブックマーク管理
・CleanShot X: スクリーンショット連携
・Coffee/Caffeinate: スリープ防止タイマー
AI・自動化
・OpenAI/Claude/Gemini: 各種AIモデルとの連携
・Shortcuts: macOSショートカット実行
・IFTTT/Zapier: 自動化ワークフロー起動
これらはほんの一例。毎週新しい拡張機能が追加され、コミュニティも活発です。自分のワークフローに必要な拡張機能は、きっと見つかるはずです。
まとめ
ここまで紹介してきた機能、実はほぼすべて無料で使えます。
Clipboard History、Window Management、Snippets、電卓、単位変換、そして1000以上の拡張機能。これらが全部無料。
無料でこれだけの機能が使えるのも魅力ですが、本当の価値は「生産性の劇的な向上」にあります。
アプリを探す時間、切り替える時間、それぞれ違うUIを覚える時間。これらがすべてゼロになります。すべての操作をキーボードから手を離さずに実行でき、自分好みのショートカットで瞬時にアクセスできる。この統一された操作感が、思考を止めることなく作業を続けられる環境を作ります。
Raycastを使い始めてから、私のMacから多くのアプリが消え、作業スピードは確実に上がりました。1日に何十回も行う小さな操作。その一つ一つが1秒短縮されるだけで、積み重なれば膨大な時間の節約になります。
もちろん、専門的な作業には専用アプリが必要な場合もありますが、日常的な作業の多くはRaycastでカバーできます。
もし今の作業環境をもっと快適にしたいと思っているなら、選択肢の一つとして「Raycast」を検討してみてはいかがでしょうか。



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