「ウチは特待生も寮もない…」“史上最少6校のみ”甲子園から公立校が消えていく…出場6校の監督に聞いた、公立校の本音「あの金足農も部員数に危機感」
夏の甲子園から公立校が消えていく……。今大会、公立校は史上最も少ない6校にとどまった。昨年の12校から半減している。出場6校の監督に聞いた「公立校の言い分」。【全2回の前編/後編も公開中】 【写真】「49校のうち、たった6校だけ…」史上最少「6校」公立校を一気に見る&「えっ、これアリ?」甲子園ド派手ユニフォームもすべて見る ◆◆◆ ひとつの数値がある。92%。夏の甲子園の過去5大会、ベスト8進出校で私立が占める割合だ。公立校は明石商(2019年/兵庫)、高松商(22年/香川)、大社(24年/島根)の3校にとどまる。今夏の甲子園に出場した公立校数「6」も過去最少の数字になった。 私立優勢の時代がつづく。現代の高校野球で公立校が甲子園上位に進出する可能性は限りなく低い。私立にあって公立にないもの。「公立校の低迷」と報道される以上、監督の言い分も聞くべきだろうと考えた。 抽選会のあとに地方大会を突破した6人の監督に聞いた。
「昼から練習できる高校もあるじゃないですか…」
「宮崎も私立が優勢になりつつあります。私学に負けたくない、という思いでやってますけど。うちの選手は全員が地元か近くの出身で自宅通いで、その良さも絶対にあると思うんで。子どもたちは本当に一生懸命やってますよ」 宮崎商の監督、橋口光朗(37歳)は言う。宮崎の強豪私立に日南学園や延岡学園がある。そこにあって宮崎商は昨年につづいて夏の地方大会を制した。同一校による夏の甲子園連続出場は、宮崎で61年ぶりの快挙だった。 「たまたまですね。うちは選手をたくさん獲ってきて……という部分で戦いません。雑草魂じゃないですけど、目の前の練習にひたむきに取り組むしかないんで」 橋口は言葉が尖りすぎないよう慎重に答えていた。それでも時折、質問と回答の間に発する「いやぁ……」という相槌に胸中がうかがえた。2年連続優勝といえ盤石ではない、強豪の水準をかろうじて保っているのだ、と。 部員数は3学年で45人。昨夏の甲子園出場を受けて23人の1年生が入学した。 「部員集めですか? そうですね……いい選手が宮崎にいれば間接的にでも受けてくださいと伝えます。ただ当然、公立なので特待枠はない。普通に受験してもらって学力を満たしていなければ入れません。文武両道は間違いなく公立校のいいところ。まあでも、同じ高校生なんでね。私立とはいえ意識しすぎず……」 ――それでも強豪私立のうらやましいところを挙げるとすれば? 「やっぱり、あれですね。特待生(笑)。昼から練習できる高校もあるじゃないですか。寮もそうです。うらやましいと思う部分ではあります」 そう言って橋口は笑った。恨みがましく話すわけでなく、むしろ現在の状況を楽しんでいるようにも映った。 宮崎商は初戦で開星(島根)と戦った。タイブレークにもつれる激戦になった。10回表の攻撃を無得点で終え、その裏に犠牲フライで力尽きた。5-6。昨夏と同じ、初戦1点差で涙をのんだ。公立6校中1校が甲子園を去った。
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