■「時をよむ」　論説委員室から　「休戦の祝宴を張り皆々酔うて寝に就きぬ」　80年前のきょう、作家永井荷風は疎開先でこう記した。　彼の日記「断腸亭日乗」は第1次世界大戦終盤の1917（大正6）年に始まり、59（昭和34）年に亡くなる直前まで続…

■【社説PLUS】　社説を読む、社説がわかる　いまの国際情勢をみるにつけ、戦後の秩序が「力による支配」に逆回転を始めているのではないか。そんな問題意識から、戦後80年を迎える社説では「法の支配」に焦点をあてました。　8月15日の朝刊紙面では…

８０年前に日本の敗北で終わった戦争を振り返るとき、思い浮かぶものは何だろう。真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦。硫黄島の戦い。東京大空襲、沖縄戦。広島、長崎への原爆投下。これらはいずれも対米戦だ。戦いが終わった時点で中国に１００万人を超す日本の将…

８０年前、国際社会は無数の命を奪った世界大戦の教訓から、武力の行使を原則禁じ、国の大小によらず法によって正義や秩序を保つ「法の支配」を築くと誓ったはずだった。だが、その理念は影を潜め、「力の支配」が再び頭をもたげている。　オランダに本部を置…

子どものころ、毎年８月１５日は「すいとんを食べる日」だった。小麦粉を水で練って団子状にして煮た汁物で、大根やニンジンも入っていた。敗戦時に食べ盛りの１２歳だった父は「昔のすいとんは具がなくて、こんなにおいしくなかった。いつも腹ぺこだった」と…