石破首相、先の大戦「見解」は見送り時期調整 全国追悼式式辞で「反省」盛り込む

全国戦没者追悼式で式辞を述べる石破茂首相=15日午前、東京都千代田区の日本武道館(相川直輝撮影)
全国戦没者追悼式で式辞を述べる石破茂首相=15日午前、東京都千代田区の日本武道館(相川直輝撮影)

石破茂首相は15日の全国戦没者追悼式で、戦後80年の節目に当たり「あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばならない」と式辞を述べた。アジア諸国への加害責任について直接的な言及はなかったものの、13年ぶりに「反省」の文言が盛り込まれた。一方、首相が検討している先の大戦の「見解」について15日の発出は見送った。今後、発出の時期を調整する。

首相は式辞で「今日のわが国の平和と繁栄は、戦没者の尊い命と苦難の歴史の上に築かれたことを片時たりとも忘れない。改めて衷心より、敬意と感謝の念をささげる」と述べた。「悲痛な戦争の記憶と不戦に対する決然たる誓いを世代を超えて継承し、恒久平和への行動を貫く」と表明した。

アジア諸国への加害責任は、平成6年の村山富市首相(当時)が「筆舌に尽くしがたい悲惨な犠牲をもたらした」とし、「深い反省」を表明した。その後、同様の表現は25年に安倍晋三首相(当時)が外すまで、19回連続で式辞に盛り込まれていた。今回の式辞ではアジア諸国への加害責任には直接言及しなかったが、「戦争の惨禍を決して繰り返さない。進む道を二度と間違えない」としたうえで「反省」が再び盛り込まれた。

一方、戦後80年の節目に当たって首相が検討している「見解」はこの日の発出は見送られた。首相側近は「準備が間に合わなかった」と説明している。首相は見解でも歴史認識には踏み込まない意向を示しているが、党内外には見解の発出で、近隣国との間に新たな摩擦や歴史問題が生じるとの警戒も広がっている。

林芳正官房長官は15日の記者会見で「石破内閣はこれまでの首相談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる」と説明。「戦争の記憶を風化させない、二度と戦争を起こさせないという観点が大事だ」と述べた。(大島悠亮)

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