アルゼンチンの医療施設で細菌汚染フェンタニル投与、87人死亡
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【8月14日 AFP】南米アルゼンチンの複数の医療施設で、細菌に汚染されたオピオイド系鎮痛剤「フェンタニル」を投与された患者が少なくとも87人死亡した。調査を行っている裁判所が13日、明らかにした。
5月以降、細菌「クレブシエラ・ニューモニエ」と「ラルストニア・ピケッティ」に汚染された薬剤のロットに関連が疑われる死者数は急増しており、裁判所が特定作業を進めている。
汚染薬剤の調査は、同国の医薬品規制当局が提出した告発を受けて始まった。匿名を条件に語った同当局関係者によると、汚染の可能性を発見した医療施設から通報があったという。
死亡例は、ブエノスアイレス市と同州のほか、さらに3州の病院で確認されていると、担当判事のエルネスト・クレプラック氏が13日付のラ・ナシオン紙に語った。
ラ・ナシオン紙によると、少なくとも24人が事情聴取を受け、資産を凍結された。この中には、汚染薬剤を製造・販売したとされる製薬会社HLBファーマとラマジョ研究所のオーナー、アリエル・フルファロ・ガルシア氏も含まれている。
ガルシア氏は関与を否定し、情報をメディアに持ち込んだ元同僚を非難。「これはメディアによる捏造だ。臨床記録はすべて、患者が別のより危険な細菌に感染していたことや、重篤な持病を抱えていたことを示している」と、日刊紙クラリンに述べた。
ラ・ナシオン紙によれば、少なくとも5つの汚染ロットが国内8つの病院や医療センターに出荷されていた。調査は200施設の臨床記録を対象に進められている。(c)AFP