フジテレビは、戦後80年の節目となる終戦の日の15日に、東京・日本武道館で行われる「全国戦没者追悼式」を『戦後80年いま、平和ですか 報道特番 全国戦没者追悼式』(11:50~12:10)で中継する。同式典を特番編成で中継するのは、開局以来初めて。
生バラエティ『ぽかぽか』繰り下げ特番編成
「全国戦没者追悼式」は例年、NHKで中継されているが、「戦後80年の重要な節目につき国民的関心事」(フジテレビ広報宣伝部、以下同)ということで、式典開始の1分前から放送することを決定。
昼の生放送バラエティ『ぽかぽか』のスタート時間を20分繰り下げ、天皇陛下の「お言葉」や石破茂首相の式辞のコメントを、スタジオで速報解説する。キャスターは『FNN Live News days』の島田彩夏アナと立本信吾アナが担当する。
同局では今夏、8月6日の広島原爆の日には、情報番組『サン!シャイン』で平和記念式典を30分弱にわたり中継し、同時間帯の民放情報番組に比べて長い時間を割いて特集。さらに、8月9日の長崎原爆の日は、これも初の試みとしてテレビ長崎が制作する特別番組『伝えたいナガサキ』を放送し、民放キー局で唯一「平和祈念式典」を中継した。
この対応・編成について、「戦後80年の重要な節目において広島・長崎の被爆者や後遺症に苦しむ方々、ご遺族たちの怒りと悲しみ、核廃絶と恒久平和への強い思いをより多くの日本人が自分事として知るべきであると考えたためです」と意図を説明。「広島で全国放送時間帯、長崎でローカル放送時間帯となり、両式典で黙祷からご列席各位のご挨拶まで然るべき放送尺で構えました」という。
ゴールデン帯特番や系列局とのキャンペーンも
この取り組みは、同局をめぐる一連の事案を受けた、再生・改革に向けての具体策の一つである「公共性と責任を再認識し、企業理念を見直します」の一環。戦後80年にあたり、世界各地で軍事的緊張が高まる中で手厚い報道を心がけようと、コンテンツ投資戦略局(旧編成局)と報道局、情報番組の制作チーム(旧情報制作局)で制作・放送を進めてきた。
上記の3つの式典中継に加え、8月8日にゴールデン帯で放送した特番『ザ!戦後80年の映像遺産SP 池上彰×加藤浩次の運命の転換点』、そしてFNN報道キャンペーン「戦後80年 いま、平和ですか」を各レギュラー報道番組やニュースサイト・FNNプライムオンラインで展開。
「系列局と一体でフジテレビとして戦後80年と向き合ってまいりました。広島、長崎の式典中継につきましても社内でプロジェクトとして春頃から調整を重ねてきたものです」としている。