サングラスの罠! なんか暗い
日差しが強い。
夏なので当たり前なのだけれど、太陽は朝から全力で降り注いで来る。大人気ないですやん、と言いたくなるほど全力。肌がジリジリではなく、いきなり焼けて行くのを感じる。料理で言えば中華。中華は火力が美味しくなるポイントだ。
肌が焼けるのは今更なので、別に問題ないのだけれど、眩しいことが問題だ。日中外にいる時はずっと目を細めている気がする。パッチリお目々が私の百を超えると言われるチャームポイントの一つなのだけれど、眩しくてずっと目を細めて生活している。
目を細めると眉間に皺がよる。
難しいことは何も考えていないし、では何を考えているの? と問われれば何も考えていないのだけれど、目を細め、眉間に皺がよることで、プルーストの小説を読んでいるかのような雰囲気になってしまう。
プルーストの小説なんて一文字も読んだことがないのだ。失われた時を求めたことがないのだ。何も失われていないのだ。失うようなものがないのだ。しかし、全力な太陽のせいでそのような顔になってしまう。
そのような顔になるくらいなら別に問題ないのだけれど、車を運転する時は大変困る。眩しいからだ。めちゃくちゃ見たいのに、広い視野で見たいのに、目を細めるとやはり視野は狭くなり、安全な運転とは言えなくなる。
ちなみに車の運転と書くと私が車を所有しているようにも感じるけれど、100%レンタカーだ。失われる時も持っていないけれど、失われる車も持っていない。レンタカーだから。視野だけを失いたくない、という話だ。
そこでサングラスを買った。
普段メガネをかけているので、その上からサングラスをかけるのも変なので、度入りのサングラスを買った。人生でほぼ初めてのサングラスだ。数年前にランニングをする時にだけかけていたのだけれど、目標とするマラソン大会が終わった瞬間にかけなくなって、そのサングラスはどこかに行ってしまった。そもそもランニングという特別な瞬間だけかけていて、車の運転という日常の中ではかける習慣がなかった。
車の運転という日常の中、と書いたけれど、レンタカーなんですけどね。全然日常ではないないけれど、1日借りると運転している時間は長くなるので、ランニングのせいぜい1時間と比べるとサングラスをかけている時間は長くなる。
ランニング時と運転中のサングラスで一番違うのは、やはり運転は移動手段であり、途中で車を降りることが多々ある点だ。ランニングはひたすら走るだけで家を出発して家に戻るので、サングラスといつものメガネは家に戻った時にかけ直していた。
運転中のサングラスはそれがない。
車を降りる時にかけ直せばいいのだけれど、サングラスが体に馴染んでしまったのか、サングラスをかけているという事実を忘れてしまうことが誠に多く起きる。驚くほどに多いのだ。そもそも車を運転している時でさえ、サングラスをかけていることを忘れて、
「なんか曇ってるな、雨降り出して撮影できないんじゃないか」
と思ってしまうし、助手席に乗っている人にそう話しかける時すらある。助手席に乗っている人は「はぁ?」と怒りにも似た「はぁ?」を連発する。連発する理由は私が1日で何回も「なんか曇ってるな、雨降り出して撮影できないんじゃないか」と言うので、助手席の人は「はぁ?」を連発することになる。
サングラスに慣れていないためだ。
サングラスをかけると本当に視界がクリアになる。眩しさがない。ただ青空が曇って見えるので、天気悪いと勘違いしてしまうのだ。そんなのわかるでしょ、と自分でも思うのだけれど、サングラス歴がなさすぎて、天気ワル! とずっと思い続けることになる。
さらに車を降りてからも問題は起きる。
カメラを持って、ファインダーをのぞいて「暗い!」と驚くのだ。カメラの設定は適切なはずなのに「暗い!」と驚き、仕方なく、その場で明るく補正する。そしてシャッターを押して、よく撮れた、と満足するわけだけれど、「暗い!」と思った理由はサングラスをつけたままだからだ。
あとでそれに気がつき、撮った写真を確認すると、神でも降臨しているのか、と思うほど白く明るい写真になっている。サングラスをかける習慣がなかったし、サングラスをつけている時の方が視界がいいので、それが普通と思い、サングラスを外し忘れるわけだ。
このコンビニ暗い、という時もある。
節電なのかな、と思って、車に戻り、その話を助手席の人にすると、また「はぁ?」と言う言葉が漏れる。それを聞いて、サングラスか、となる。
今の私は「はぁ?」と聞いただけでサングラス、と思うようになっている。サングラスをかけていなくても、「はぁ?」というため息混じりの怒りでサングラスをかけていると認識するレベルだ。
ただサングラスが車の運転中は特に必要なのは間違いない。本当に見やすい。良好な視界が確保できている。助手席に誰かが乗っていた場合は、その人の正常な心は失われるようだけれど。イライラしているのがわかる。安全運転のためだから仕方がない。



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