『スラムダンク』の聖地で女性が”立ちション”も…外国人観光客の迷惑行為が深刻化
文化の違いか? 「女性の立ちション」まで目撃される地域の苦悩
病院のみならず、地域全体が以前から同様の問題に悩まされてきた。近隣に住む住民は、さらに衝撃的な光景を語る。
「駅の前は海ですから、国道を渡って海岸の砂浜でしてますね。おしっこは当たり前で、女の子が大きいほうをしているのも、この辺の人はけっこう目撃しています。トイレがないので仕方がないとは思いますが……」
信じがたいことに、この問題は鎌倉高校前駅周辺に限った話ではないという。隣の七里ヶ浜駅周辺も、アニメ『青春ブタ野郎シリーズ』の聖地として知られ、こちらも多くの観光客で賑わっている。そこで目撃されたのは、常識を遥かに超えた光景だった。
「七里ヶ浜のセブン-イレブン前の駐車場で、女の子が立っておしっこをしていたのには本当に驚きました。3人組で、1人が海側を向いてスカートをまくり上げ、2人が後ろに立っておしっこをしている子を隠すような感じで。フレンチカンカンみたいにスカートを広げてね。女の子も男みたいに立ちションできるんだ、と変に感動しました。ただ下が浜辺なので、もし人がいたら頭からかぶってますけど。信じられない」(前出・地元住民)
これだけの事態に、行政や鉄道会社は手をこまねいているだけなのだろうか。仮設トイレの設置を求める声もあるが、鎌倉市観光課は、
「臭気や設置場所の問題があり、地元の方々との調整が必要になります」
とその難しさを語る。対策の壁はインフラ整備だけではない。そもそも、マナーを守るべきだという情報が、当の観光客たちに届いていない根本的な課題があるのだ。観光課の課長はそのジレンマをこう明かす。
「課題としては重々認識しており、今まさに対策を具体的に検討しているところです。また物理的な対策に加えて重要だと思っているのが、いかにして中国や韓国からの方々に情報を届けるか。特に中国の方は、インスタグラムやフェイスブックではなく、WeChat(ウィーチャット)といった独自のSNSを利用されています。そうした彼らが日常的に使うツールに直接アクセスして、日本のマナーを伝えていく必要があると考えています」
国の担当者も現地を視察するなど、行政レベルでの対策協議は進んでおり、具体的な解決策は煮詰まりつつあるようだ。一方、長年にわたり議会でこの問題を訴え続けてきた鎌倉市議会議員の長嶋竜弘氏は、さらに思い切った対策が必要だと語る。
「すぐ横の公園が良い角度で撮影できるので、ここに撮影用のステージを設けて、路上ではなくそちらで撮影してもらうように誘導する。有料で良いと思います。また、トイレとごみ収集ステーションも有料にして、公園に設置すれば良いと思います。そこで得た歳入を、トイレを含めた地域の整備に充てるんです。路上に人があふれるのを防げるし、一石二鳥でしょう」
アニメファンにとっては一瞬の思い出の場所も、住民にとっては日々の生活の場である。住民の平穏な生活を脅かすこの尋常ならざる状況に対し、行政には迅速かつ実効性のある対策が求められている。