『スラムダンク』の聖地で女性が”立ちション”も…外国人観光客の迷惑行為が深刻化
閉鎖された「聖地のトイレ」とエスカレートする迷惑行為
観光客が殺到すれば、当然トイレの需要も増える。しかし、ゴールデンウイークを前にした4月末、観光客にとって“唯一のライフライン”ともいえる鎌倉高校前駅のトイレが、突如閉鎖されてしまったのだ。江ノ島電鉄(江ノ電)のホームページには、閉鎖の理由がこう記されている。
《異物による排水管詰まりの発生や施設の破損、破壊が多発していることから、閉鎖とさせていただきます》
一体、駅のトイレで何が起きていたのか。江ノ電総務部の担当者は取材に重い口を開いた。
「トイレットペーパー以外の固形物を流されてしまうことが頻繁にありまして……。配管が詰まってしまうんです。その都度、配管業者さんに依頼をしている状況ではあったのですが、以前からトイレの中がものすごく汚れているという状況もありました。壁まで糞尿が付いている、ということもあったと聞いております」
駅周辺では事実上、唯一の公共トイレだった施設が閉鎖された背景には、このような観光客のマナーの悪さがある。だが、彼らの迷惑行為はこの程度のものではない。平然と他人の敷地で野外排泄をしてしまうのである。
周辺での野外排泄は、駅のトイレが閉鎖される以前からの根深い問題だった。それが、唯一の公共トイレがなくなったことで、さらに深刻化しているのだ。その被害を最も切実に訴えるのが、駅のすぐ近くにある鈴木病院である。同院の事務部長は呆れたように語る。
「以前から中国人の人たちが受付に来て『トイレを貸してください』と。あまりに使い方がひどくて……。汚すことはもちろん、便座の電源コードを勝手に抜いて自分の携帯電話を充電したり。『我慢できないので』と貸してあげたら、トイレでウェディングドレスに着替えて出てきた時には唖然としました。踏切で撮影するために着替えたんです。病院の業務に支障が出るため、今は申し訳ないのですが、日本人も含めどなたにもお貸ししていません」
病院側は入り口に「トイレ使用不可」と中国語でも掲示しているが、お構いなし。ロープを張って院内への立ち入りを制限しても、勝手に入ってくるという。そして、鈴木病院にとって最大の悩みは、彼らの野外排泄である。
「トイレ閉鎖の前から、病院の周りの敷地内で大きいものから小さいものまで、野外排泄されてしまっていたのですが、駅のトイレが使えなくなってからは、“大きいほうの被害”が目に余るものとなっております。とくに日曜日は勤務している従業員が少ないので、やられ放題になってしまうんです。月曜の朝に出勤して病院の周りを見回ると、物陰のあちこちに排便されているんです。市にも『衛生上問題があるから何とかしてほしい』と何度も訴えているのですが……」