嘘の夢の話 7月30日
中華鍋で何かを茹でている。中身の汁は乳白色に濁り、何が茹でられているのか、いつからそうしているのかわからない。
頭上でタイマーが鳴り出す。ボタンを押してタイマーを止めるが鍋をかきまぜる動きはやめることができない。まるで他人がそうしているのを眺めるようにお玉を回転させる右手をずっと見続けている。次の瞬間、落とし穴に落ちるような感覚があり、見ると本当に誰か知らない人が鍋をかき回している。ジャージを着た後ろ姿は猫背でくたびれており、しかしどこか言い知れない精気のようなものを発している。
再びタイマーが鳴り出す。音の方を見るとそこには真っ白いナマコのような生き物が張り付いていて、これはタイマーの音などではなくこいつの鳴き声だったのだと気付く。それを素手で触ってしまったと思うと吐き気が押し寄せてくる。鍋の前の人物はナマコを捕えると、素手で鍋の底に沈め、もう片方の手である一点を指さす。その指し示す先を見ると壁に穴が空いていて、そこからあのナマコが大量に湧き出している。
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