嘘の夢の話 8月5日
工場の前に立っている。空を見上げると雲が重く立ち込め今にも大雨が降り出しそうな天気である。鳥がこの街から逃げるように大群で移動しているのを見て、私も早く帰らなければと思う。
家に向かう途中、カーブミラーの根元に青いイヤホンが巻き付けられているのを発見する。私はそれを拾ってカバンに入れる。さらに進むと道端に小さな祠があり、赤い前掛けをつけたお地蔵様が祀られている。私はそこで立ち止まり、手を合わせてお祈りした後、地蔵の首にイヤホンをぐるぐる巻きにして立ち去る。
あと少しで家に着くというところで、急に明日がバイトの初出勤の日だったことを思い出す。職場の制服としてジーンズでないズボンとネクタイが必要なのだがそのどちらも用意していなかったので、服屋に行くために慌てて今来た道を引き返す。するとあの祠はなくなっており、祠があったはずの場所には大量のアブラムシがくっついている背の高い雑草が生えているだけである。
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