【8月13日 AFP】イスラエルは12日、国連機関によってパレスチナ自治区ガザ地区が飢餓の瀬戸際にあると警告されているにもかかわらず、ガザで広範な飢餓の兆候は「見当たらなかった」と発表した。

人道支援団体、国連機関、イスラム組織ハマスは、イスラエルが3月上旬から2か月以上にわたってガザを完全封鎖し、5月下旬に封鎖が緩和された後も限られた人道支援物資しか搬入を許可されていないことから、広範な飢餓のリスクについて警鐘を鳴らしている。

イスラム組織ハマスが運営するガザ保健当局は、2023年10月の紛争開始以来、子ども103人を含む少なくとも227人が餓死しており、その多くはここ数週間に死亡したとしている。

イスラエル国防省傘下の「占領地政府活動調整官組織(COGAT)」は12日に公表した報告書で、ガザ保健当局のデータを「徹底的に検証」したと述べた。

この調査では、ガザ保健当局が報告した餓死者の数と「メディアやソーシャルメディアで完全な身元情報が記録・公表された事例」との間に「大きな隔たり」が見られたという。

COGATは、既往症があるにもかかわらず餓死と記録されている人々を特に指摘し、これらの事例はガザの住民200万人以上を代表するものではないと主張した。

COGATによると、この調査では「写真証拠やその他の入手可能な情報」も実施し、ガザ住民に広範な飢餓の兆候は見られないという結論に至ったという。

COGATは、ガザ保健当局が発表した数字は「誤解を招く」として切り捨て、ハマスが「飢餓の物語」を押し付けていると非難した。

これに対しハマスの報道官は、「国際的に記録されている犯罪を隠蔽(いんぺい)しようとする無駄なあがき」だと反論した。(c)AFP