嘘の夢の話 8月19日
遮光カーテンを買いにイケアに行く。入り口で取ったフロアガイドに従い順路通りに進むが、どうしてもカーテン売り場にたどり着くことができない。そのうち私は本格的に迷いだし、入り組んだ通路やいくつものショールームを抜けてどんどん人気のない方へと向かってしまう。
やがて、照明が薄暗く、売り場なのかバックヤードなのかわからない場所に私はたどり着く。そこにはショールームが設えてあるが、それは北欧家具仕立てのお洒落なものではなく、ささくれ立った畳と汚いふすまから成るみすぼらしい和室である。私は靴を脱いで畳に上がりふすまを開ける。すると中は宴会場のように広い和室になっていて、その中央にこちらを向いて正座している人がいる。私が以前勤めていた職場でいつの間にかいなくなっており、噂によれば自殺したと言われていた先輩である。私はその先輩とはあまり関わりがなかったので気まずく思ってふすまを閉めようとすると、彼は「あ」と声を上げる。私が動きを止めると、彼は懐からテニスボールくらいの大きさの水晶玉を取り出し、差し出すようにそれを見せてくれる。水晶玉は水のように透明で、淡い虹色の光を辺りに放ち、その光はまるで実体があるかのように空中を泳いでいる。こんなに美しいものは見たことがない、と思う。
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