嘘の夢の話 8月28日
見渡す限り広がる平野に一人立っている。少し離れたところには巨大な白い風車があり、それを目指して歩いて行く。だが、いくら歩いてもその風車にたどり着くことができない。あきらめて元来た方に引き返そうと振り向くと、そこには白い風車よりもさらに大きい真っ赤な風車が立っている。赤い風車は今までに見たどんなものよりも大きく、まるで目がおかしくなってしまったように思えるほどである。
赤い風車がゆっくりと回りだす。これだけ大きいのに一切音はせず、風も送られてこない。しかし、巨大なプロペラが一回転するたびに体内の臓器を直接震わせる「波」のようなものが感じられて、それを浴びると自分が自分でなくなるような不安定な気分になり、私は脂汗を流しながら吐息も荒くそこら中をぐるぐると歩き回る。
ふと白い風車があった方を見ると、そこには風車などなく、天から光の束のようなものが降り注いでいる。たまらずそれに向かって駆け出すが、やはり近づくことはできず、その上転んで膝を擦りむいてしまう。傷口を見ると、赤い血ではなく墨汁のように黒い液体がだらだらと流れ出ている。


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