空気が熱を帯びている。
初夏ともなると気温は夏と間違えるほどの熱気を帯び始めるが、そんな気候を上回るほどの熱気が、雄英体育祭会場に漂っていた。
控え室では緊張する一年A組生徒たちが話す中で、轟が緑谷に話しかける。
オールマイトに似た個性と、そして目をかけてもらっていることを引き合いに出して、轟はお前には負けないと宣戦布告をした。
体育祭編で轟と緑谷が戦い、轟の心に巣食う闇を緑谷が晴らすという展開が一番の見所だったような気がする。
どういう闇だっけ……エンデヴァーの加齢臭か腋臭かが酷くて……母親がそれで心を病んでとか……そのせいで火の個性を使わないと決意してる……だったかな。
エンデヴァーのサイドキックの美人なねーちゃんが臭い的なセリフでエンデヴァーを罵るところを読んだ記憶がうっすら残ってる。
「ワキガってすぐ気づくらしいけど、ボク嗅いだことあらへんねん。口田クンは知っとる?」
「!?」(全力で手を左右に振っている。否定しているのか、そういうこと話す場合じゃないと窘めているのか、オレにはわからない)
「海原よ……何故突然腋臭の話を……?」
常闇に突っ込まれた。
オレは端っこから轟をそっと見つめた。
火の個性を使うと暑くなる。暑いと人は汗をかく。汗をかくと臭いが出てくる。個性や体質は親から受け継がれる。
ということは轟も父親と同じで……氷結の個性しか使わないのは……あぁ……そうか……轟……お前……。
多感な時期に……いや、多感な時期ではなくても、自分が腋臭なんじゃないかと悩むのは……辛いよな。
でも、父親は父親で、自分は自分。父親がそうだから、自分も同じなのではと心配する必要はない。
オレは思わず声をかけていた。
「轟クン」
「なんだ海原。もちろん去年優勝したお前にも負けるつもりはねぇ。ナンバーワンになるために、お前も越えるべき壁だ」
「それはええねんけど……自分を追い詰めるのはアカンよ。どれだけ否定しても……キミはキミなんや」
「っ……何を言ってんだお前は。俺の何かを知ったような口ぶりで……!」
「言わんでもわかる……辛かったんやな、とは同情はせんよ。でも、少なくとも今……キミは大丈夫や。間違いなく」
「チッ……意味わかんねえよ……! まぁいい、その上から目線も、今日……まとめて俺は叩き潰す……!」
轟は腋臭じゃない、少なくともこれまでの訓練や授業を経てもそんな臭いはしなかった。
それを伝えたかったが、轟の自分への不信は根深いものだった。すぐに心の闇が晴れるものではないのはわかっている。
だがいつか、気にならなくなるときがきっとくるはずだ。仮に腋臭になっても、手術で治すこともできるのだから、心配しなくていいのだ。
……いや、仮にもイケメンキャラが腋臭って少年漫画でそんなことあるかな。
合ってたかな……これで。
……違う気がしてきた。
選手宣誓で爆豪が「俺が一位になる。せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」とスポーツマンシップ溢れる爽やかな挨拶をかましてA組にヘイトが向いたが、オレにとっては些細なことだ。
なぜなら、ぶっちゃけオレにとってこの体育祭は勝っても負けてもどちらでもいいのである!
整理しよう。
まずオレのこの人生における目標。
『僕のヒーローアカデミアによく似たこの世界に溶け込む。ロールプレイを楽しむ』
そのためにわざわざ留年するために無駄な手間をかけて現時点では謎多き、色々知ってそうな底が見えないキャラっぽく振る舞っている。
記憶は薄いがこの体育祭編では緑谷と轟の対話があり、最終的には爆豪が優勝して物語が終わっていたはず。
こういう場合、優勝をかっさらうべきなのか、劇的にどこかで負ければいいのか、まぁどちらでもいい。
もっといえば、緑谷に助言をしたのもあって後ろで腕組んで頷いていればいいのだ。
さらにこの世界での現実的な話だが、オレは去年雄英体育祭を優勝してプロヒーローたちにある程度顔を売っているどころか、去年の二学期に飛び級で仮免を取得してインターンすら可能な身分になっている。
優勝あるいは好成績を残してヒーローに注目してもらう、という必要もまた、ない。
本格的に暴れまわるにはもう少しヴィランとやり合わないといけないんだよなぁ。
と、いうわけで勝ち負けはどうでもいいのである。
最終的には、AFOあたりを引きずり出してタイマンでバトれたらいいなって感じ。
そこでの勝敗はわからないがやりたいことやって死ぬくらいでちょうどいいだろう。この世界に愛着も未練も欠片もないし。
「第一種目は障害物競走! スタジアムの外周約4㎞を障害物を越えて競走してもらいます!」
一年生の部を仕切る18禁ヒーロー『ミッドナイト』が競技内容を解説する。
上位何名が次戦に進めるか公表されないが、ヒーロー科の二クラスぶんは通過させてプロヒーローのスカウトに注目させたいだろうから、ざっと四十くらいが通過順位だろうか。
メタ的にいってもそれくらいは確保しておきたいだろうし。
「コースを守りさえすれば何をしたって構わないわ! さぁ、位置につきまくりなさい!」
スタートに向かう途中で峰田が「ミッドナイト……たまらねえぜ」と頬を緩ませていた。
「ボクはもう少し清楚なコがタイプやなぁ。峰田クンはレベルの高い娘見つけた?」
「かーっ、パイセンはわかってねえぜ……ああいうエロいお姉さんに手とり足とり腰とり教えて貰うのが男子高校生の最初の夢だろうがよ!」
「ヒーローの夢どこいったんや」
へらへらしながらスタートに立つ。
スタート地点は人が密集していて思うように進めないことが予想される。
オレは最後方に位置どった。
「それじゃあ……よーい、スタート!」
ミッドナイト先生の合図を聞いて生徒たちが走り出す。いきなり群衆がもみくちゃになり、その中から上手いこと抜け出していく連中もいる。
肝心の緑谷は遅れてなんとか抜け出したらしい。A組の機動力に劣る個性の持ち主たちも、同じように走り出している。
『今回の一年生の部の実況はプレゼントマイクと解説はイレイザーヘッドでお送りするぜぇ!
さっそく最初の関門たるスタート地点から抜け出したのはヒーロー科一年の轟焦凍!
後方勢に氷の道を作り妨害までしていったこいつはテクニカルゥーッ!』
『テンションやばいな』
『選手宣誓でぶちかました入学試験首席合格の爆豪がこれに続く! そして注目されていた異例の昨年一年生ステージ優勝者、海原大海は……最後方にいるぞぉーっ! こいつは余裕かーっ!?』
実況のプレゼントマイク先生がオレに注目をする。
一年生たちには実績が少ないから、紹介しやすい肩書きがあればそれを元に実況、解説しているようだ。
とはいえようやくスタート地点を抜け出せそうなところであり、先頭とは大きく離れてしまっている。
「せやけど注目されたら、やる気出さなアカンなァ」
右腕を振りかぶる。
個性を発動させ、右腕に水を引き寄せ、そしてムチのように前方に振り切った。
「“
技名の通り、龍を思わせる大量の水が前方の生徒たちに襲いかかった。
「なんだあっ!?」
「ひでぶ!」
「ほんぎゃあ〜っ!!」
「いきなり妨害だなんてそれでもヒーロー科かよ!」
それぞれ悲鳴を上げながら押し流されていく生徒たち。
あくまで方向は前方。そしてコースアウトもさせないように配慮している。
「大丈夫や、ちゃんと溺れんように調整しとるわ。ボク的には大乱戦になってくれたほうが、面白いんかなと思うんよ……ほら、追いついたで」
ロボインフェルノと題された第一関門は、その名の通り仮想ヴィランとして運用されている雄英高校の最新鋭ロボットたちが待ち受けている。
遅れていた生徒たちは軒並みオレの水流に押し流されて前方に集まった。
「ということは……追い越すチャンスだ!」
「くそっ、やめろ! ロボの突破に協力した方がいいだろ!」
「全員でやる必要はねえんだよ」
生徒たちはロボット突破のために協力する向きもあったのだろうが、情報がない新たな生徒たちが流れ込んできたようで連携が大きく乱れて混戦となっていた。
うーん醜い。
それは冗談にしても、足を止めるのはプロヒーローたちからの評価を落とすだろう。
手段がないなら前に行くしかない。
「またロボがきたぁーっ!?」
襲いかかってくる巨大ロボに悲鳴をあげる普通科生徒。
「邪魔やで」
手のひらほどに水を貯めて投げつければ、水は散弾のように巨大ロボの胴体を撃ち抜き、完全に破壊する。
勝ち負けにこだわらないと言ったが、カッコイイ見せ場は作るつもりだ。
オレの強さに見惚れてみろ、とばかりに走る先で立ち塞がるロボットたちを一撃で破壊していく。
止まらずノンストップだ。
『流石は昨年優勝者海原大海! 無人の荒野を行くが如しであっという間にロボインフェルノ突破ァーッ!
だが先行集団とはまだ離れているぞ!』
『先行集団のやつらは第二関門に来ているな。個性の応用が求められる。必要な結果に最短距離に行くにはどのような個性が必要かを』
『先頭の轟はそのままロープを凍らせて走り抜けた! はやくも第二関門突破だーッ!』
『聞けよ』
先行集団は爆豪と轟がやりあっているらしい。
第二関門は綱渡りだ。
いくつも浮島のように岩場があり、岩場同士を綱で繋いでいる。
浮遊や跳躍に優れた個性が活きる場で、そうではない生徒たちは地道に掴んで渡っていた。
「ボクは飛ばせてもらうで」
個性により、足の裏から勢いよく水を吐き出す。
ウォータージェットの要領で、足場をいくつも越えて一気に跳ねた。
飛び続けることも可能だが体力の燃費が悪いので、跳躍のためだけに瞬間的な圧力のみを活かす。
空を飛ぶ個性の持ち主は何人かいて、オレと同じように飛んでいる子達は多くいた。
視線の下では蛙吹が綱をカエルっぽく渡り、飯田が両手でバランスを取りながら奇怪な姿勢で綱をエンジンの個性を使い素早く渡っている。
「はい第二関門突破……まだまだ前はおるね……ん?」
振り返ると緑谷がようやく第二関門の突破地点から見えるところにいた。
「あちゃー。そろそろ大逆転してくれへんとアカンで……主人公やろ」
第三関門まで少し速度を調整しながら飛んだところで着地する。
第三関門は怒りのアフガンというタイトルのステージで、地雷原を抜けなくてはいけない。
殺傷能力はないが音と衝撃はすごいと実況のプレゼントマイク先生が解説する。
音と衝撃が強かったら殺傷能力を持ち得るのでは?
オレは訝しんだ。
「緑谷クゥーン。どや、調子は」
「う、海原さん!」
「あの超パワーの個性は
「うううっ……やっぱり個性をこういう場で使うにはリスキーというか運動能力に反映させてもまだ判断力が追いついてなくてブツブツブツブツ」
我らが主人公であるはずの緑谷出久はびっくりするほどナンセンスなリアクションを返している。
指や腕をぶっ壊しながら試験や襲撃事件をパスした癖に今更失敗を気にしている。
オレは緑谷のケツに蹴りを入れた。
「緑谷クン! キミ、ナンバーワンになるんやろ!」
「はぅあ!」
なまじ成功体験を味わったせいで、逆に失敗を恐れている。
余計なことしたかな、と少し思うが、成長速度は間違いなく早くなっている。
緑谷クンに少しでも早く強くなってもらって、彼を餌にAFOを引きずり出してタイマンする目的を果たすためにあまりダラダラしてられない。
「緑谷クンは困っている誰かがいる時に、いちいち失敗するかどうか考えてたわけじゃないやろ?」
「海原……さん……」
「このレースも難しく考える必要はないんや。誰が一番最初に、助けを求める声に辿り着けるかどうかを争ってるだけやで」
オレは水の個性を使い、水圧を利用して跳躍した。
水の勢いでたたらを踏んだ緑谷はオレを見上げていた。
「はやくせんと置いてくで。今のキミに必要なのはてっぺん取る覚悟だけや」
緑谷の目が変わったように見えた。
流石主人公とでも言うべきか、やるときはやってくれるのだと思う。
僕のヒーローアカデミアという物語を抜きにしても、先日のUSJ襲撃事件の際に脳無が生徒へ襲いかかったのに対して、躊躇なく飛び出して庇い、立ち向かえる精神性は異常だ。
勝つか負けるか、生きるか死ぬかも勘定に入れていない、他者を救う際に発揮される自己犠牲の精神。
それが緑谷出久の根幹を成しているのだろう。
主人公ということを抜きにしても、放っておけない、好ましさを彼は持っていた。
☆☆☆
緑谷出久は地面を殴った。
個性も使わない、ただの拳にかえってくる痛みが、迷いを振り払った。
(僕はバカだ!)
体育祭前に、ヒーロー科も、サポート科も、普通科もみんながトップを目指して必死にもがいていると、理解したはずだった。
そして、海原に、個性の制御方法を教えてもらった。
それなのに、中途半端に出来ることが増えたからといって、失敗を恐れてしまっている。
「僕が来たって……オールマイトに……みんなに……伝えなくちゃいけないんだ……!」
緑谷はOFAを発動させ、地面を手刀で抉る。少しだけはやく、それでいて確実に。
他の生徒が何をやっているのかと緑谷を見るが、彼は微塵も気にしない。
掘り出したのは地雷を数個ほど。
他の生徒が地雷を踏んで吹き飛ぶさまを見ていると、結構な勢いなので、相当な衝撃があるのだろう。
それを複数喰らえば、結構痛いはず。
だが、緑谷は、複数の地雷を積んだその場所に飛び乗った。
(痛みなんて、もう怖くない……!)
カチリ、と信管が作動する音。遅れて、光と、衝撃が二段構えで炸裂した。
『地雷原後方で大爆発だァーッ!? 誰か地雷を誘爆させたかぁっ!? 爆炎の中から……おぉーっとこれは!! 緑谷出久が爆発の勢いで吹っ飛んでいるーッ! しかも前方に! なんだアイツ計算づくか!? イレイザー! お前のクラスの奴ヤバいのばっかだな!!』
『爆風の勢いを利用して速度を大幅に得る。
発想自体は誰もが思いつくが、誰もやらないことだ……だがアイツはやる。緑谷という奴はそういう奴だ』
『高評価だぁーッ!』
『呆れてんだよ』
両足が痛いが、あくまで衝撃に痺れているだけ。壊れてはいない。
緑谷は風圧に顔を歪ませながら薄目を開ける。
前方にいた海原のすぐ横を突き抜けた。
『ええやん、ヒーロー』
そんな声が、聞こえた気がした。
『爆風で緑谷猛追! 一気に轟と爆豪の先頭争いに加わったァーっ!』
「クソデク……てめェ……! 待てやコラァッ!」
「ちっ、しのごの言ってらんねえ……後続に道を作っちまうが……」
爆豪と轟は互いに妨害し合いながら先頭を走っていたが、頭上に現れた緑谷を見て、一気に加速し出す。
爆豪は爆破の個性により追いつこうと飛び出し、轟は前方を凍結させて氷の道を作り、地雷を無効化した。
(このまま着地しても抜かれたら追いつけない! 抜かせないためには……!)
緑谷は右手にOFAを発動させる。
エネルギーをまとった紫電が右腕に走り、そしてその腕を地面目掛けて振った。
「SMASH!!」
空を切った右腕。込められたのはOFAの僅か5%ほどの出力。
しかし、その力は受け継がれてきて、オールマイトによって完成させられたナンバーワンの力。5%ぶんの強化といえど、その風圧は並大抵の力ではなかった。
「なにィ!?」
「なっ――!?」
風圧で地面が押しつぶされ、そして地雷の信管が押し込まれた。
角度的には体の前面で受けることになるが、今更だ。
起爆し、爆風で再び前に行くと共に、二人を妨害する策。見事に決まったと、緑谷は爆風に備えた。
しかし。
「させるか!」
「氷で……まさか!?」
轟が踏みしめた右足から冷気が走り、風圧でえぐれた地面をまとめて凍らせた。
地雷は凍結し、爆発しない。爆風を受けて加速することなく、緑谷は重力に引かれて地面に近づく。
そして。
「邪魔だクソナードがァァァッ!」
目尻を怒りで普段の三割増しに釣り上げた爆豪が右腕を振りかぶる。
手のひらの爆破を受ければ、先頭争いから離脱することは間違いない。
(受け止める!? だめだ、空中じゃ吹き飛ばされる! 押し勝たないといけない、それだけだと結局置いていかれる! スピードを確保したまま、かっちゃんをいなせる力を――OFAを一瞬だけじゃなく……ほんの少しだけ……そして、維持したまま……!)
全身に光が仄かに走る。
窮地に追い込まれ、咄嗟に体と思考が求めた活路に、海原との修行がピタリとハマった。
「抜かせて……た、ま、る、かぁぁーーーーっ!!!!」
――ワン・フォー・オール・フルカウル!!
今まで数%の力を一瞬だけ発揮していたOFAを、常に全身に張り巡らせ、強化したままに。
緑谷は気合いの叫びをあげながら、爆豪の右手を打ち払った。
「なッ!?」
「緑谷、お前……!」
爆炎を躱し、地雷を凍結させた氷塊に両足を着く。
そして、身を沈めて一気に踏み込んだ。
氷が砕け、一瞬前に出ていた轟を追い越していく。
走るというよりは、低空の、素早い跳躍を繰り返して進んでいく。
『緑谷出久、ここで独走したぁーっ! 突然機敏な動きで爆豪の攻撃を躱し、高速機動を披露したぁーっ!』
爆豪と轟は緑谷を猛追する。
だが、フルカウルによってスピードを得た緑谷に追いつくことはできなかった。
『序盤の展開から誰が予想できたか! 1着でスタジアムに戻ってきたのはこの男!!』
初戦から白熱のデッドヒートを繰り広げ、そして大逆転を見せた大番狂わせを見れた観客たちは大歓声で勝者を迎えた。
『緑谷出久!! 障害物競走を制したのは緑谷出久だァーッ!!』
☆☆☆
結局オレは4位でフィニッシュ。
1位かっさらう事もできただろうが、ちょっとトレーニングを見てあげた相手が活躍してるのを見て、少し親心みたいなのが湧いていた。
よく頑張ったわ。偉い。褒めてやろう。
「クソデクのあの動き……なんなんだ……! 制御もできねえ馬鹿力だけのはずがよォ……! クソッ、クソッ!」
「ちくしょう……! こんなところで負けてる場合じゃねえってのに……!」
爆豪と轟が悔しがっている。
物語的な要素を抜きにして、オレを除いた場合、A組では文句なしにこの二人が実戦においてはツートップの実力を持っている。
それを出し抜くとは、緑谷の実力もマグレではないという証明になっただろう。
『ん〜♡ 第一種目からいきなり白熱してて最高、私も熱くなっちゃったわァ……♡』
「ミッドナイト先生エロすぎね?」
「オイラのリトル峰田も熱くなってきたぜ」
『順位は大型ビジョンに表示されている通り! 上位四十二名までが次戦に進出よ! 敗退しても見せ場はあるから、頑張りなさい!』
ズラっと表示される第二種目進出メンバー。A組は全員……あれ……青山……。
……オレが入ってるせいか! 多分!
でも強さが正義。ヒーローたるもの、強くないと生きてはいけないのだ。
『そして次の第二種目は……騎馬戦!!』
ミッドナイト先生がルールを解説する。
騎馬を組んでハチマキを取り合うのは騎馬戦の通り。しかし騎馬の構成は各自で自由に決められる。
そして障害物競走の成績に応じて割り振られたポイントの合計がハチマキのポイントとなり、それを奪い合って最後にポイント保持者上位四チームが決勝進出するという仕組み。
障害物競走上位者同士で組んでポイントのアドバンテージを得るか、逆に順位が低いメンバーで組んでポイント奪取に専念するか。
戦略性はもちろん、騎馬を組んだメンバーによる個性の組み合わせで戦う戦術性も求められる。
『そして一位に割り振られるポイントは……1000万!!』
そしてその戦略性と戦術性を軒並み粉砕しかねない爆弾ルールがミッドナイト先生の口から放たれた。
少し離れた場所で、全員からの眼光が突き刺さる緑谷を見ながらオレは考えた。
……もしかして本来は一位通過じゃなかったりするのか?
僕のヒーローアカデミアの記憶は遥か古いものとなっていた。
燈矢「そりゃあ更新速度が低下するのは悪かったよ……焦凍は毎日更新希望派だもの……」
燈矢「でも早く感想を貰いたいんだよ!」
燈矢「完結するまで書かなくとも更新し、その途中でもらう感想でインスピ―レションを湧かせる! すごいよな……作者と読者で作り上げるのがネット小説の良さなんだよ!」
夏雄「行き当たりばったりじゃ完結できないんじゃない……?」
燈矢「夏くんまで俺をたしなめるのか!? やめてくれ! 夏くんしか理解できないから話してるのに! わかるだろ! 更新するたびに感想が来てないか5分おきにマイページを見てしまうのが!」
記憶が曖昧になっているので体育祭編を見返していたが面白くて見進めてしまい、執筆が進まない罠により書き溜めがはやくも消滅です。
感想よろしくお願いします