Yahoo!ニュース

B1越谷アルファーズでパワハラ問題発生。ヘッドコーチへの処分とチームの対応に波紋 #エキスパートトピ

青木崇Basketball Writer
写真:YUTAKA/アフロスポーツ

越谷アルファーズで指揮を執る安齋竜三ヘッドコーチに、複数の選手に対するパワハラ行為が認定され、Bリーグから3か月の活動停止の処分が下された。通報をきっかけに始まった調査により、精神的苦痛を与える暴言などがあったことを裁定委員会が認めた結果である。クラブのガバナンス体制に問題があったことも明白であり、越谷は安齋コーチに加え、上原和人社長自身に減俸処分を科すと発表した。

ココがポイント

シーズン途中に心身の不調を申し出た選手がいたことから、2025年2月、チーム運営幹部にて協議を行い、安齋HCへ厳重注意
出典:スポニチアネックス 2025/7/28(月)

選手に対して威圧的で人格否定的、人格侮辱的言動を繰り返した事案であり、その態様は長きにわたり反復継続されたもの
出典:日刊スポーツ 2025/7/28(月)

試合中、選手が通りすぎたタイミングなど、当該選手が自身に向けられたと認識せざるを得ない状況で「死ね」と発言した
出典:B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト 2025/7/28(月)

エキスパートの補足・見解

今回のパワハラ事案は、単なるヘッドコーチの言動の問題にとどまらない。どのスポーツでも「適切なコーチング」と「ハラスメント」の境界線は極めて曖昧であり、それがこの問題で改めて明らかになった。安齋コーチの発言やコーチングには、チーム規律を守る意図があったのかもしれない。しかし、選手の尊厳や心理的安全を損なう手法は、現代のコーチングとは相容れない。

裁定委員会が以前の裁定に参考にしたうえで出した処分が3か月間の活動停止にとどまったことについては、「再発防止につながるのか」「処分が軽すぎる」といった批判が多い。越谷は再発防止策を公表し、一定の責任を表明。その一方で安齋コーチの去就を処分期間終了後に判断するとしており、事態はまだ流動的だ。

さらに、この処分はBプレミア参入を目指す越谷アルファーズにとって深刻なマイナス要素である。Bプレミア入りを実現するための新アリーナ建設に向けて行政との連携が不可欠な中、今回の問題は地域社会との信頼関係にも影を落としかねない。組織の信頼回復と持続的な成長のためには、表面的な処分だけでなく、体質の見直しと透明性あるマネジメント体制への移行が不可欠ではないだろうか。

  • 105
  • 225
  • 103
ありがとうございます。
Basketball Writer

群馬県前橋市出身。月刊バスケットボール、HOOPの編集者を務めた後、98年10月からライターとしてアメリカ・ミシガン州を拠点に12年間、NBA、WNBA、NCAA、FIBAワールドカップといった国際大会など様々なバスケットボール・イベントを取材。2011年から地元に戻り、高校生やトップリーグといった国内、NIKE ALL ASIA CAMPといったアジアでの取材機会を増やすなど、幅広く活動している。

青木崇の最近の記事

あわせて読みたい記事