嘘の夢の話 9月2日
私たち4人は公園の太いイチョウの木の根元に、それぞれ別の方向を向いて座っている。私の位置から他の3人の姿は見えず、それが誰だったのかも今では思い出せないが、彼らは私と非常に親密な関係にある人たちである。私たちは自分の位置から見えるものをなんでも他の3人に報告する。地面に落ちたイチョウの葉や銀杏の実、砂場で遊んでいる子供達、最近塗装し直されたベンチ、文字盤に鷲の絵が刻まれた大きな時計、外の通りを走るトラックからその荷台に記された社名まで、全てを口に出して伝える。
一人が「クジラがいる」と言う。公園の近くには海も水族館もなく、クジラなどいるはずがないのだが、誰もそれを疑おうとはしない。別の一人が彼に「どんなクジラ?」と尋ねる。「消防車みたいに大きくて、速いクジラだよ」と彼は答える。
気付くとあたりは夜になっている。イチョウの木は街灯のように鮮やかな黄色い光を放っていて、その下でたくさんの人たちが食事を楽しんでいる。私以外の3人もグラスを片手に他のグループと盛り上がっているので、私もそこに混ざることにする。彼らは次の週末に花を使った創作料理屋に行く計画を立てていて、私もそれに誘ってもらう。楽しみで仕方がない。


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