広陵高校が夏の甲子園辞退 暴力事案がSNS拡散「重く受け止める」
第107回全国高校野球選手権大会に出場している広陵(広島)の堀正和校長が10日、兵庫県西宮市で取材に応じ、出場を辞退すると表明した。7日に1回戦を突破していた。14日に予定されている津田学園(三重)との2回戦は不戦敗となる。
大会本部によると、選手権大会中の出場辞退としては2021年8月に宮崎商と東北学院(宮城)が選手の新型コロナウイルス感染を理由に辞退したケースがあるが、不祥事を理由とする期間中の辞退は、春夏を通じて初めて。
1月に寮内で起こり、3月に日本高校野球連盟から厳重注意を受けた暴力事案が大会直前にSNSなどで拡散していた。部内で被害を受けたとする他の情報もSNS上で飛び交うなか、同校は「事態を重く受け止め、出場を辞退したうえで、指導体制の抜本的な見直しを図る」と文書で説明した。
堀校長は、登下校中の生徒への誹謗(ひぼう)中傷や同校の寮への爆破予告があったことを明かし「生徒や教職員の人命を守るのが最優先。大会運営にも支障をきたしてしまっている」などと出場辞退の理由を説明した。
日本高野連の宝馨会長は「広陵高校が真相究明を進め、誰もが納得する形での解決を願っている。いま一度、暴力や暴言、いじめなどがない健全な高校野球を実現したい」と話した。
広陵は春の甲子園大会で3度の優勝を誇り、今回が春夏通算53度目出場の強豪。多くのプロ野球選手を輩出している。
全国高校野球選手権大会では2005年に明徳義塾(高知)が喫煙や部内暴力の不祥事を県高野連へ報告せず、開幕直前に辞退した例があった。
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(更新)- 北川和徳日本経済新聞社 客員編集委員ひとこと解説
学校側は高野連に報告して厳重注意処分を受けているのですが、それが公表されなかったのが問題です。原則として厳重注意処分は公表しないという学生野球のルールがあるそうですが、SNSで情報が拡散する時代にそれは通用しません。処分の妥当性を誰もが検証できるようにしないと、関係者だけで事態を矮小化して隠蔽したと非難されるのは当然です。力を持つ側が陥りがちな「都合の悪いことは隠せる、隠せばいい」という考え方は通用しないことをあらためて証明する事案になりました。
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