嘘の夢の話 9月14日
老夫婦の家に招かれる。その家は米軍ハウスを改築したようなこじゃれた平屋で、二人はおいしいチーズケーキやレモネードを用意してもてなしてくれるが、どうにも落ち着かない。窓から見える庭の木に、紫色のマネキンが逆さ吊りになっているからである。彼らは口々に私のことを褒めそやしてくるが油断ならず、早く本題を話すよう促す。
二人はばつが悪そうに顔を見合わせ、短い沈黙の後に夫の方があのマネキンを指差し、恐る恐るといった感じで「あれの除去を……」と切り出す。私は自分にはできないと言い帰ろうとするが、二人に止められ、別の部屋に連れて行かれる。そこには部屋の半分ほどもある巨大なソファ、サイクリングマシン、表紙に金色のザクロが描かれた画集のような本があり、マネキンを取り除いてくれたらこれらを報酬として与えると彼らは言う。だが気持ちは変わらず、私は二人を振り切って家を出る。庭を出てから振り返ると、老夫婦は窓に張り付いて猿のように歯を剥き、目を見開いてこちらを威嚇している。


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