嘘の夢の話 9月18日
好きなミュージシャンのライブに行くためグリーン車に乗ると、座席の隙間に小さいチューブに入った軟膏が落ちているのに気付く。それを拾い上げて弄んでいると、ひどく困った様子の男がやって来て「ここら辺に薬が落ちてませんでしたか」と尋ねてくる。しかし私は無意識にその軟膏をポケットに隠し、「知りません」と答えてしまう。男は青い顔のまま礼を言って立ち去っていく。
やがて電車が発車したので、私は弁当を食べたりして快適に過ごすが、だんだんと罪悪感が湧き上がってくる。その罪悪感に耐えきれなくなり、私は途中下車をして反対方向の電車に乗り、あの男に軟膏を返しに行くことにする。最初の駅に到着し、駅員に話を聞くが、男の情報は全くつかめない。時計を見るとライブの開演時刻まであと10分を切っており、私は慌ててみたび電車に乗り込む。だがもうお金がないので、今度は普通列車に乗らなければならない。帰宅ラッシュの時間とかち合ったのか車内はひどく混んでおり、しかも各駅停車なので全く進まない。私は焦りと申し訳なさから人目をはばからず泣いてしまう。
そんな私を哀れに思ったのか、目の前の席に座っていた老人が「僕の膝の上に座ってもいいよ」と言ってくる。本当はそんなところに座りたくないが、親切心を無下にするのも悪いので座らせてもらうことにする。老人の脚はまるで枯れ木のように細く脆く、私の体重で折れてしまいそうなほどである。私は心配で度々腰を浮かそうとするが、その度に老人は私の腰を掴んで自らの膝の上に引き戻してくる。


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