嘘の夢の話 9月29日
数人の人たちが輪になって何かを見ている。それがとても楽しそうな様子なので覗き込むと、彼らはシャーレに入ったアメンボを観察している。そのアメンボはどこにでもいるようなごく普通の個体に見えるが、彼らは何が可笑しいのかそれを見ながらくつくつと笑っている。私は何が面白いのかさっぱりわからないが、ここで笑わずにいると空気を壊してしまう気がして、作り笑いをする。しかし作り笑いをしているうちに本当に面白くなってきて、私はその場に倒れ込みそうになりながら大笑いする。
突然、私以外の全員が笑うのをやめて無表情になる。彼らは何事かを耳打ちし合ったかと思うと、ガムテープでシャーレをぐるぐる巻きにし、レターパックに入れる。レターパックには私の名前と住所が記入されていて、彼らはそれをポストに投函する。全てが一瞬のうちに行われ、私はそれを黙って見ているほかない。彼らは私に嘲りの視線を向けながら散り散りになっていく。一人になった私は、今更どうなるわけでもないのにスマホを取り出してメモアプリを開き、「アメンボ」とだけ打ち込む。


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