嘘の夢の話 10月9日
本屋で雑誌を立ち読みしていると、女性が「保険関係の本はどこですか」と尋ねてくる。店員ではないのでわからないと言うと彼女は謝って去っていくが、今度は別の客に同じ質問をしている。フロアには制服を着た店員が何人もいるのに、女性は店員を避け、明らかにただの客とわかる人を狙って質問をしているようである。
変な人だなと思いつつ特に気にせず雑誌を読み進めていると、突然誌面にその女性の写真が現れる。記事によると彼女はビーチバレーの日本代表選手らしい。プロの重圧に耐えかねておかしくなってしまったのだろうか。雑誌から目を上げ辺りを見回すと、すでに彼女はいなくなっている。
本屋を出ると、向かいのビルの軒下であの女性がたい焼きを食べている。こんなところにたい焼き屋があっただろうかと思い、歩き回ったり地図で調べたりするが、やはりたい焼き屋などどこにもない。しかし彼女が食べているのは紛れもなくたい焼きである。それで私はようやく、彼女が「本当におかしな人」になってしまったのだと悟る。


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