「地元出身がいない」の声に…未来富山の甲子園アルプスで聞いた“意外な本音”「若者を町で見かけるだけでうれしい」「高校の存在知らなかった」
強さに衝撃受けて…応援団長は大学生
魚津工業の野球部員も応援に駆けつけた。「未来富山とはよく練習試合をしているので、甲子園にも応援に来たかった」と、メガホンを手に大声でエールを送った。 応援席を仕切り、鼓舞していたのは応援団長の宮崎浩介氏。氷見市出身の宮崎氏は、高岡高校時代に応援団長を務め、現在通う東京都内の大学でも応援団に所属している。富山大会の決勝で見た未来富山の強さに衝撃を受け、応援団長を買って出た。 「とにかくピッチャーの江藤蓮君が圧倒的で、彗星の如く現れた未来富山を応援したい、彼らに富山県民の希望を託したいと、応援団魂を強く揺さ振られました。『どうしても応援したい』と未来富山の関係者に直訴し、応援団長をやらせていただくことになったんです」(宮崎氏) スタンドの応援は、観客が好き勝手に声を出せばいいというわけではなく、まとめ役がいないと一体感は生まれない。「誰かを応援する」という応援団の魅力に取り憑かれた宮崎氏の熱いリードによって、観客の心はひとつになっていった。 未来富山の応援団責任者・福俣慎一氏も、一体感のある応援に感激しながらこのように話す。 「吹奏楽の応援は、当初はご縁のある学校に友情応援をお願いできないかとも考えていましたが、ありがたいことに地元魚津市の3校が演奏を申し出てくれて、お願いすることにしました。アルプスがこんなに埋まるとは思ってもいなかったので、大変うれしく思っています」(福俣氏) 合同吹奏楽団の1校である新川高校の濱元克吉校長に、「“野球学校”という声も聞こえてきますが……」と尋ねてみると、「そのような声があることも承知している」とした上で、「純粋な気持ちで地元を盛り上げたい」とも語った。
「若者を町で見かけるだけでうれしい」
「魚津市は人口減少と高齢化で、年々寂しくなっているので、若い人たちががんばっている姿を見るだけでうれしい。『地元出身の子じゃない』という声もありますが、とにかく若い人が来てくれるだけでもありがたいんです。何せ、若者が自動販売機でジュースを買っている姿を見かけるだけでもうれしいんですから(笑)。今日、アルプススタンドには地元の会社経営者など、魚津市のキーパーソンも皆応援に来ています。未来富山の選手たちと一緒に、地域を盛り上げていきたいですね」(濱元氏) 「通信制の学校は、応援席もガラガラなのでは……」という筆者の心配はまったくの杞憂に過ぎなかった。むしろ、アルプススタンドを埋める市民や関係者、少年野球チームの子どもたちが心からの熱い声援を送る姿に感動すら覚えた。 試合は8-5で高川学園が勝利。同校は、現在も続く豪雨の影響で道路事情が悪化し、吹奏楽部のバスが出発できず、野球部の声での応援となった。 次戦こそは天候が回復し、吹奏楽部の応援とともに、未来富山の分まで健闘を祈りたい。
(「甲子園の風」梅津有希子 = 文)
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