嘘の夢の話 10月27日
フェリーに乗って夜の海を渡っている。窓の外は暗くてほぼ何も見えないが、灯台の光に照らされる一瞬だけ辺りの様子を窺うことができ、海面に何かがたくさん浮かんでいるのがわかる。よく見ると、それは無数の枕である。それが枕だとわかった瞬間、私は「自分の枕を海に落としてしまった」と思い、拾いに行くことにする。しかしデッキに出る扉はすでに施錠されており、ドアノブをガチャガチャ回してどうにか開かないか確かめる。そうしていると警備員がやって来て注意され、ようやくあの枕が自分のものであるわけがないと気付く。
怖くなって、なるべく海の方を見ないようにしながら自分の部屋に戻る。窓のブラインドを閉め、もう寝ようとベッドに潜り込むと、本当に枕がなくなっている。どうしようか迷った末、ブラインドの隙間から外を覗き見る。だが灯台の光はもう届いてこず、海は今度こそ漆黒の闇に包まれている。私は何も見えなかったことにかえって安心し、タオルを折って枕代わりにして眠る。


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