テイルズオブファンタジアという「祖龍」
次元斬! 次元斬! 次元斬!
次元斬! 次元斬! 次元斬!
次元斬! 次元斬! 次元斬!
あ、すいません。
私、ついクセで次元斬素振り100本を……。
ということで、『テイルズ オブ ファンタジア』を遊びました。最近ちょっとテイルズにハマっているのですが……まあ、せっかくなので、初代も遊んでみた感じです。なんかこのゲーム、「祖龍」ですよね。
これから多くの作品を生み出したオリジンというより、一番最初に出たヤツがそのまま最強の龍として君臨し続けているような強度を感じました。
そんな感じで、祖龍ファンタジアの感想を書いていきます。
割と普通な内容だと思うのですが、適当によろしくお願いします。
「技」編
ほとんどの人が「技編」ってなんやねんとツッコミを入れていると思うのですが……なんかこのゲーム、「技」がやたらと印象に残っているんです。それこそ、「襲爪雷斬」とか、「次元斬」とか……。
ということで、「技」の話をしようと思います。
次元斬! 次元斬! 次元斬!
クレス
結論から話すと、このゲームは「とにかくタンクをし続けるRPG」という印象だった。伝説のRPGじゃない。今日からアンタの名前は「とにかくタンクをし続けるRPG」だよ。そのくらいメインタンクに徹するRPGだった。
主人公、クレス=アルベイン。
私はひたすらコイツを操作して、みんなを守り続けた。来る日も来る日も敵にタコ殴りにされ、必死こいてメインタンクをやり続けた。MMORPG以外で、こんなに「タンク職」に徹するゲームがあるのかと思った。
実際のところ、このゲームの思い出の半分くらいは、「クレスで必死にタンクをしている時間と、アルベイン流奥義の数々でどうにか死線を潜り抜けた戦い」で構成されている。ここから綴られるのは、そんな私とクレスの過酷なタンクとしての日々である……。
このゲーム、襲爪雷斬が強すぎる。
「テイルズオブファンタジアで一番思い出深い技は?」と聞かれたら、まずこれが出てくる。もう、序盤はとにかく襲爪雷斬を擦って擦って擦りまくった。なにが出てきても襲爪雷斬。敵を倒すために襲爪雷斬。仲間を守るために襲爪雷斬。襲爪雷斬! 襲爪雷斬!! 襲爪雷斬!!!
もはや、「とにかくタンクをし続けるRPG」じゃない。正確には、「とにかく襲爪雷斬を撃ち続けるRPG」である。襲爪雷斬を撃たなければおまえを守れない。襲爪雷斬を撃ったままではおまえを抱き締められない。
実際、序盤は味方を守るために「襲爪雷斬シャトルラン」という戦法をよく行っていた。たとえば、敵が両サイドから挟み撃ちにしてきたとき、後衛のミントやクラースがそのまま殴られて、結構ヤバい。
そんなとき、とりあえず右にダッシュして襲爪雷斬を撃つ。今度は左にダッシュして襲爪雷斬を撃つ。また右にダッシュする。このシャトルランを繰り返すと、意外とどうにかなるのだ。クレスからしたら過酷極まりない戦術だけど、こんなアホな戦い方でもどうにかなる。襲爪雷斬は偉大である。
襲爪雷斬の時代は完全に終わった。
これからは秋沙雨の時代だ。
なんですか? 襲爪雷斬って?
そんな技のことは覚えていません。そんなことより秋沙雨ですよ。いつまでも襲爪雷斬なんか擦っているようでは、時代に置いていかれる。
ただ、このクラースとアーチェが揃った時期に、どんどん私の自尊心が削られていったのは覚えている。それこそ、序盤はクレスの固さと襲爪雷斬の火力に、「俺がミントを守る!!」とパーティーの騎士<ナイト>を気取れたのに、あとから入ってきたクラースとアーチェの圧倒的な火力の前では、襲爪雷斬も秋沙雨も豆鉄砲のようなものになってしまった。
どんなに必死に頑張っても、クラースのシルフにも、アーチェのサイクロンにも火力が届かない。そして敵にはボコボコに殴られる。あぁ、自分は勇者なんかじゃなくて、ただのメインタンクだったんだ……俺って、本当に必要な存在なのかな……生きてる意味あるのかな……。
少なくとも、私のテイルズオブファンタジアにおけるクレスは、敵の攻撃を一身に受けながらも、後方のメンバーに「ヒールください!!」「サイクロン撃って!!」と指示を出し続ける、過酷な中間管理職に身を投じていた。勇者になんかなれなかった。クレスはただの中間管理職です。
どういうゲーム? pic.twitter.com/Vf3BsUSs1M
— ジスロマック (@yomooog) July 27, 2025
秋沙雨の時代は完全に終わった。
これからはジャンプ斬りの時代だ。
襲爪雷斬? 秋沙雨? 虎牙破斬?
そんなのは過去の遺物でしかない。
これだ、これこそがクレス=アルベインの最強技だ。
「テクニカルリング」というアイテムを入手して、操作を「マニュアル」に切り替えた瞬間、大革命が起きた。自由にジャンプできる。自由に動かせる。敵の間をすり抜けて移動できる。突然あらゆる「枷」が消えた。逆に「セミオート」ってなんだったんだよ?
極めつけは、この「ジャンプ斬り」。
なんだかよくわからんが、ひたすらピョンピョン飛んで相手を斬りつけていると、ハメみたいな状態になる。俺はもうメインタンクなんかじゃない、ジャンプ斬りDPSだ! 見た目は最悪だが、俺は勇者になったんだ!!
冥空斬翔剣めっちゃかっけえ…… pic.twitter.com/nbPDuGaufv
— ジスロマック (@yomooog) August 2, 2025
負ける……………ものかァッ!!!!!
「冥空斬翔剣」。
この技、正直めちゃくちゃカッコいいと思う。普通にファンタジアの中で一番好きな技かもしれない。こればっかりは「ジャンプ斬りの時代は完全に終わった」とか茶化したくないくらい、本気でカッコいいと思う。
火力と演出はもちろんのこと、「HPがギリギリの状態で、ボタンを3つ同時押しする」という発動条件がめちゃくちゃ好きだ。本当にピンチの時にしか放てない、最強の必殺技。そしてクレスの「負ける……ものかァッ!!」という叫び。本当に熱い。やっぱりアルベイン流奥義しか勝たん。
正直、私はクレスというキャラクターそのものには「なんやねんコイツ」と思っていた節があった。何食わぬ顔で「僕はダオスをだおす」というサイコパス寸前のつまらないジョークを放つし、要所要所でお前は本気で世界を救う気があるのかというくらい、のんきな発言をする。
でも、冥空斬翔剣の「負ける……ものかァッ!!」という迫真のセリフで、クレスの株が上がっていったような感覚がある。それくらい「負ける……ものかァッ!!」がカッコいい。クレス、あんた草尾毅に感謝しな。
冥空斬翔剣の時代は完全に終わった。
これからは次元斬の時代だ。
はあ? アルベイン流奥義?
なんですかそのダサい田舎の流派は?
これからは「時空剣技」の時代ですよ?
襲爪雷斬や虎牙破斬も、十分に強かった。ただ、その登場によって、完全に他の技のアイデンティティが奪われるようなことはなかったと思う。が、次元斬だけは完全に時代を変えてしまった。こいつは五条悟である。次元斬が生まれて、世界の均衡が変わってしまった。
発生の早さ、尋常じゃないリーチ、コメダのかき氷くらいデカい攻撃範囲……もう「弱点」がどこにも見当たらない。消費TPの激しさも、フェアリィリングなどで軽減すればどうとでもなってしまう。無敵だ、無敵の技だ!
とりあえず次元斬を振っていれば、どうとでもなる。
あの襲爪雷斬が、完全な「下位互換」になってしまった。
そんな事実にショックを受けながらも、同時に「ずいぶん遠いところまで来たんだな……」と、妙な感慨に浸ってしまう。あんたの名前は「伝説のRPG」じゃない、「ひたすら次元斬を振り続けるRPG」だよ。
次元斬の時代は完全に終わった。
これからは襲爪雷斬破の時代だ。
これが、私とクレスの最終奥義でした。
ずっとクレスとともに歩んできた「襲爪雷斬」と「虎牙破斬」の合体技でであり、ラスボス戦でも大活躍を見せた。やっぱり襲爪雷斬しか勝たん。
大体「時空剣技」とかいうよくわからんポッと出のくせに性能だけでエラそうにしてる技より、クレスが父親から受け継いで、ずっと一緒に戦ってきたアルベイン流奥義の方が信頼できるに決まってる。次元斬? 虚空蒼破斬? そんなものより「襲爪雷斬破」の方が断然カッコいい。
とにかく、「襲爪雷斬」から始まった過酷な戦いが、最後の最後に「襲爪雷斬破」に戻ってくるところに、ちょっと感動でした。そんな流れもあってか……どちらかというと「技」が印象に残っているのかもしれません。こんなに「技」が記憶に焼き付いてるゲームって、あんまりない気がする。
大谷
テイルズオブファンタジアの大谷翔平、アーチェ=クライン。
圧倒的火力。打席に立てば必ずホームラン。とりあえずアーチェが魔法を撃てばどうにかなる。むしろチーム全員でアーチェの詠唱時間を稼ぐ。
もう、アーチェに関してはシンプルに「強さ」を評価してます。
なぜならファンタジアの大谷翔平だから。ドジャースもエンゼルスもこういう気持ちだったのかもしれない。単純に強いヤツが味方にいると、シンプルに強さを認めざるを得ない。お前がホームラン王だよ。
「サイクロン」や「インデグニション」を筆頭に、常に予想の2~3倍の火力を出し続けていた。さっきも書いたけど、あまりの火力に「アーチェに比べたら、自分なんてただのタンクなんだ……」と自尊心を傷つけられたレベルで強い。どうせPT内でもアーチェの方がチヤホヤされてたんだ。
本当に加入してからラスボス戦まで、ずっとスーパーエースだった。あまりの強さに自尊心を傷つけられはしたけど、アーチェがいなければ世界を救えなかったのは事実。そこも含めて大谷翔平なのだ。きっとドジャースにいる大谷のチームメイトも同じ思いをしているに違いない。
しいて言えば、酒はガバガバ飲むし、元カレもいるっぽいのがアーチェの豪放磊落さを感じて好きなところだ。酒飲み、元カレいる、風呂は覗く、インデグニションは鬼強い……もう、いいところしかない女じゃないか。
メカチェスター
努力の男、チェスター。最初は一緒に戦っていた……けど、過去にタイムスリップしてからチェスターが全然帰ってこない。ナムコもチェスターのことを忘れてしまったんじゃないかと思うレベルで帰ってこない。
あまりにも帰ってこないものだから、私は心のなかで「肩にショルダーキャノンを装備し、片腕にマシンガンをつけたメカチェスターとして帰ってくる」「命からがら逃げだし、忍びの里で修業を積み、片目に眼帯をつけた藤林チェスターとして帰ってくる」「ダオスの前でサムズアップしながら溶鉱炉に沈んだ」の3パターンを予想していた。
というか、そのくらいのサプライズがないと、チェスターはちょっとツラくないだろうか? コイツ、事実上ゲームの半分近く退場してたんだぜ?
ところが、実際は超ぬるっと帰ってきた。
過去から現代に戻ってきたら、普通にシレっといた。
もしかしたら、絶体絶命のピンチにどこからともなく矢が飛んできて「チェスター、生きていたのか!?」「ふっ、待たせたな……」的な激アツ展開があるんじゃないかと期待していたけど、そんな展開は微塵もなかった。なんて厳しい現実。そんなドラマはRPGの中でしか起こらないのだ。
しかも、実際のレベルも「10」で再加入してくる。
すいません、チェスター君が戦力外すぎます。
しかし、チェスターなりに焦りを感じていたのか、裏でこっそり努力を重ねて、自力でレベルを上げていく。なんて真面目なやつなんだ。
そこから「疾風」やら「屠龍」やらを覚えれば、随一のアタッカーへと覚醒していく。チェスターなりに自分の無力さを踏まえて、真面目に努力して、しっかり強くなっていく。これって、普通に人としてすごいことですよ。自分のよくないところを理解して、その問題と真摯に向き合っていた。
なんとなく、自分には好きとか嫌いとかじゃなくて、「応援したい気持ちになっちゃったキャラ」という枠が存在する。チェスターは、かなりその枠のキャラだ。私は、チェスターが頑張ってるところを応援したい。
この修行イベントを見てから、ずっとチェスターをパーティーに入れ続けていた。だから、しっかり育ったチェスターが主力として覚醒したとき、かなり嬉しかった。よかったなあ、お前。いつだって、努力は報われるんだ。
そんな修行イベントをきっかけに、アーチェといい感じになり始める。
私は、みなさんに問いたい。
チェスターとアーチェは、どういう関係なんですか?
よくわからない。
私が色恋沙汰に鈍感だから、この2人の機微がイマイチわかっていないのだろうか。よく喧嘩してるから、「相性の悪い2人なんだな」と思っていたのに、いつの間にやら結構いい感じの雰囲気になっている。何があった?
私から見ると、「俺に見えないところで付き合っている2人」という感じなのだ。え、ゲーム画面に映ってないところでデートとか行ってるの?
もう手とか繋いだのかな? なんか私に内緒にしてることないですか?
しりにしかれマン
偉大な召喚士、クラースのおっさん。
藤……どこぞの忍者と違って、オーバーリミッツなしで召喚術を撃てるのが本当にすごい。藤……どこかの忍者が召喚士を気取っている割にお札でチマチマ削るよくわからない戦い方をしていたせいで、単に「TPさえ支払えば召喚できる」という事実に感動していた自分がいる。
「ルナ」や「オリジン」みたいな高火力精霊もいいけど、個人的には「シルフ」がめちゃくちゃ役立った印象があります。すぐに発動できるから、「相手の行動を即座にキャンセルする」という妨害技っぽい使い方ができるのが面白い。シルフ連打で相手の行動を潰しまくるのが気持ちいい。
特に、過去と現代のダオス戦では「シルフキャンセル」がだいぶ刺さった……というか、シルフがいなければ普通に負けていた気がする。あの局面で、最初に覚えたシルフが刺さりまくるあたり、このゲームのバトルバランスの完璧さを思い知った感じがします。本当にバトルがよくできてる。
すずちゃん
正直なところ、かなり終盤に加入したこともあって、あまり性能面では印象に残っていない……んだけど、この子ホンマにいい子すぎる。
戦闘で全然使わなかったけど、「ただただいい子」という一点で、めちゃくちゃ好感度が高い。謙虚で、自分に厳しくて、奥ゆかしくて……これが本物の忍者の姿だ。普通にゲームクリア直前くらいに加入させてしまったけど、シンプルにいい子だからパーティーにも馴染んでいたと思う。
自分、シンフォニアの藤林にあまりいい思い出がないんですよ。だから、すずちゃんにも最初は苗字呼びで接していたのですが、あまりにもいい子すぎて、段々と私の心も氷解していきました。ああ、なんていい子なんだ……この子を苗字呼びするなんて、俺にはできない!!
「泣いてもいいんだよ」
「忍者だってこんな時は、泣いていいと思うよ」
「ありがとうございます」
「でも・・・泣きません」
「皆さんとは、笑ってお別れしたいから!」
エンディングのこことか、正直ファンタジアで一番グッときた。
忍者として非情に徹しなければいけない中で、それでも仲間との友情を信じたい気持ちに心が揺れていく。そして最後の別れ際には、「皆さんとは、笑ってお別れしたいから!」と笑顔で言えるようになった。
なんていい子なんだ……
すずちゃん、なんていい子なんだ……
あれ? もしかしたら女性陣で一番好きなキャラかも?
ミント
実際のところ、チェスターやアーチェ以上に、序盤から終盤までずっと活躍し続けていた。ただ、シンプルに「ヒーラー」であるがゆえに、これといって言いたいことがない。どうしよう、ミントだけ書くことがない。普通に最大の功労者のはずなのに、言うことがない。
アーチェが最強のバッターなら、間違いなくミントは最強のキャッチャーだった。アーチェとミントで最強のバッテリーだ。あれ? クレスは?
とにかく、スーパーヒーラーだったと思います。
回復からデバフ解除まで、全部ひとりでやってた。自分がクレスを操作しているせいで、どっちかっていうとクレスの方が過酷そうなイメージがあったけど……実はミントも過労死していたのかもしれない。
ダオス
何度も何度もこちらの心を折ろうとしてきた最強のボス、ダオス。
過去でのバトルでは無慈悲なダオスレーザーで全滅させてくるし、レーザーを撃たせないように頑張っても、連撃でクレスをピヨらせて戦線を崩壊させてくる。「まずタンクを潰せばどうとでもなる」ことを理解している。
ダオスとの戦いは、ファンタジアで最も苦い思い出であると同時に、このゲームの「バトルの面白さ」を物語っているのものでもあると思う。あのクレスがピヨらされた瞬間の「卑怯な真似はよせーーーッッッ!!!!!(夢川ショウゴ)」と手に汗握る感じ、正直かなり楽しかった。
とはいえ、過去と現代のダオスは、クラースのおっさん迫真の「シルフキャンセル」によってどうにかなった。真の強敵は、未来で戦うダオス……つまり、ラスボスとして3連戦を仕掛けてくるダオスだった。
久しぶりに、「絶望」級の強さのラスボスと戦った気がする。
第3形態まであるのだけど、そもそも第2形態の「フェザーダオス」の時点で強い。弾幕攻撃みたいなのを仕掛けてきて、クレスが一向に近づくことができない。次元斬も襲爪雷斬破も、当てることすらできない。なんとか弾をかいくぐって接近すると、物理攻撃で吹っ飛ばされる。どうしろと?
それでも、超頑張って次元斬連打でフェザーダオスは倒した。
そうしたら、当たり前のような顔で最終形態が出てきた。ここに至るまで、一切イベント戦闘なし。一瞬でも「いや、第3形態くらいイベントバトルなんじゃね?」と期待した私がバカだった。ダオスにそんな甘さはない。
仕方ないので、やたら長いダオス城を徒歩で引き返し、トレントの森深部まで潜ってエルヴンボウを強化したり、アイフリードの財宝を全部回収したり、お金をいっぱい集めて死神でレベルを上げまくったりした。トレントの森には二度と行きたくない。
結果として、ダオスは倒せた。
クレスの「次元斬」とチェスターの「震天」が壁際で刺さり、最後の最後に「壁ハメ」でダオスを倒してしまった。第3形態に心を折られたのは事実だけど、具体的に第3形態がどういう戦い方なのかはわからなかった。
RPG的に、ここまで何度も何度も同じ敵と戦うのもちょっと珍しい気がする。ファンタジアの難所はいくつかあったけど、そのほぼすべてが「ダオス」なのだから、これはこれですごい。ダオスの強さを強烈に演出していると思う。しかも、どれも手に汗握るバトル。ダオスとの戦い、楽しかった。
嘘だろ……最終決戦がこんな壁ハメで終わるなんて…… pic.twitter.com/TiQxLfr4Hz
— ジスロマック (@yomooog) August 7, 2025
いろいろ
そんな感じで、このゲームに言いたいことは「技編」で大体書ききってしまったのですが……もうちょっとだけあるので、ザックリいろいろ書いていこうと思います。「いろいろ」って。雑すぎるだろ。
とにかく、もうちょっとだけ続きます。
見つけて Your dream
このオープニング……いいな…… pic.twitter.com/8HcQinwBuX
— ジスロマック (@yomooog) July 18, 2025
ファンタジアのOP、めちゃくちゃよくないですか?
正直このOP、一番好きかもしれない。
なんだろう……ぼんやりした言い方だけど、「これから冒険が始まるぞ」感に溢れてて、すごくいい。「ゲームの内容を期待させるオープニング」という意味では、ストレートに絶大な力を発揮しているんじゃないかと思う。
アビスの「カルマ」のような、歌詞と本編の内容がリンクしてるタイプのアプローチではないんだけど……それはそれとして「夢は終わらない 〜こぼれ落ちる時の雫〜」もいい曲だと思う。ああ、見つけて Your dreamしたくなってきた。みんなでKiss Kiss Kissしようや。
ちなみに、個人的には「その力に~」のあたりでアーチェが水面をホウキで飛んでいき、水がスパーンとしぶいてるカットが一番好きです。このカット、すごい「時代」を感じる。これ90年代OVAとかでよく見るやつ! 川尻善昭の『バンパイアハンターD』とかでも見たやつ!!
「絵」がいい
このゲーム、とにかく「絵」がいいと思う。
「どこが」というわけではなく、とにかくゲーム全体のビジュアルづくりみたいなものが、すごい強固だと思う。それこそ、見てよこのパッケージ! めっちゃ面白そうじゃない!? この「パッケージ絵の面白そう」感、テイルズどころか全RPGの中でもトップクラスじゃないだろうか!?
ここまでパッケージ絵だけで「面白そう」感を出せてるゲームって、自分の中ではPS2版の『ペルソナ3』のパッケージくらいな気がする。SFC版のパッケージもいい。というか、元を辿れば藤島康介の絵がいい。
正直アビスやシンフォニアを遊んでいるときは意識していなかったけど、なんか段々藤島康介の絵そのものが好きになってきた気がする。クレスのデザインとか、かなり好みだ。ファンタジアの藤島康介は黒閃しか撃ってないんじゃないか。マズい、このままだとサクラ大戦とかに手を出しかねん。
で、「絵がいい」っていうのは、単純にパッケージとかだけじゃなく、ゲーム内のドットのビジュアルに関しても思っています。
友人から「なんだかんだ2Dテイルズが一番好き」という話を聞いたことがあったのですが、たしかにこれが頂点になってしまう気持ちはわかる。ぶっちゃけ、自分も「ゲームの絵作り」だけで言うなら、いまのところファンタジアのドット表現が一番好き。
キャラクターのかわいさであったり、世界観の表現であったり……「2D」の表現がカチッとハマってる。どれだけハイエンドなグラフィックが出ても、ドットや2Dはそこに対して不変性や優位性を持っている……みたいな小難しい話があったりしますが、割とマジでそう思っちゃいますね。
シンフォニアやアビスは、やっぱり心のどこかでキャラのモデルとかに対して、「まあ、昔のゲームのかな」と思っていた節はありました。でも、ファンタジアのグラフィックは古びていない。たしかにドットそのものは古いけど、「ゲーム内の絵」として、色褪せていないと思う。
キャラクターデザインや実際のゲーム内を含め、「絵作り」はファンタジアが圧倒的だと思います。もう、ここで「究極」が出てしまっている感じ。
この樹の名前は
実は私、「シンフォニアを遊んでから、ファンタジアに行く」という逆行パターンで遊んでしまったんです。この前に、シンフォニアを遊んでいました。そして、ファンタジアとシンフォニアの世界観の繋がりにちょっとずつ気がついていったのですが……まあ、流石にちょっと泣く。
たとえば、シンフォニアの本当に最後の最後に、新しく生えてきた木に対してロイドが「この樹の名前は……!」とだけ言って終わるシーン。まあどう考えても「ユグドラシル」だろうとは思っていたのですが、同時に「え、名前は教えてくれないんだ」とも思っていました。
それが、こっちで回収された。
世界樹「ユグドラシル」と、その木に宿る精霊の「マーテル」。
これ、シンフォニアやってて泣かないヤツおる?
シンフォニアの時代からファンタジアの時代に至るまで、どれだけの時間が流れたのかはわからない。でも、どれだけの時が流れても、誰かが名付けた「ユグドラシル」という名前は残り続けていた。ロイド=アーヴィング……俺たちのヒーロー……ミトス、お前の信じた世界はここに……。
そして同時に、ファンタジアから逆算して作られたであろうシンフォニアの異質さにも気がついたというか……シンフォニアで語られていた「差別」のテーマって、自分としては結構唐突なものに感じていたんです。
ただ、ファンタジアの最後に用意されていた「悪だと思って戦っていた相手も、また別の正義だった」という大ギミックを見て、なんだか納得しました。結局正義をぶつけ合ったら、それはもうどちらか一方を敗者にするまで終わらない。種族ごとの正義があることは理解できても、譲れはしない。
なぜ、シンフォニアが「選択」を重んじるゲームだったのか、逆順で理解しました。ファンタジアで描かれた「別の正義」というテーマに対して、もう一歩先の「どの正義を選択するか」という自由の提示が、シンフォニアのテーマだった。深読みかもですが、自分はそう思いました。
あと、この最後に発覚した「ダオスはダオスで別の世界の命運を背負っていた」という事実が、シリーズの方向性を決定づけている感じすらします。
テイルズって、敵味方問わず徹底的に「キャラ」を核にして作っているから、最後はもうキャラに準じた別々の正義をぶつけ合って終わっていく。そんな印象があります。これって1作目からだった……いや、むしろ「1作目がこうだったからこそ」の描き方なのかもな、と。
「祖龍」ファンタジア
で、ここまでの「キャラクターの描き方」とか「ビジュアルの良さ」とか「バトルの楽しさ」とか「ストーリーのテーマ」とか全部ひっくるめて、1作目ながらも作品としての強度が高すぎると思いました。
「ここから派生していったシリーズの1作目」というよりかは、純粋に……ただただ強いRPGが原点に君臨してる。他の追随を許してない。だから、「祖龍」なんだと思ってます。これ、ミラボレアスですよ。リオレウスとかと比べる存在じゃない。もう、ただ「祖龍」として君臨してる。
そもそも、1作目から「タイムスリップもの」なのが異質ですよね。
流石に、自分もここからトライエースが云々周りの話は知っているのですが……その座組を含めて、シンフォニアやアビスなどの後続作品に受け継がれていない「独自の遺伝子」が存在している。少なくとも、「ファンタジアにしかない味」がある。そこも独特な存在感だと思います。
特に、何回か話題に挙げてるエンディングとかも、テイルズ内どころか他のRPGでもあまり見ない、独特な「しっとり感」があると思う。
時空を超えて集った仲間たちであるがゆえに、最後に「別れの寂しさ」がやってくる。未来に残るすずちゃん。過去に帰っていくアーチェとクラース。現代で暮らすクレスとミントとチェスター。
この別れ際に、ハーフエルフのアーチェが「あと100年後にしか会えないなんて、寂しすぎる」と泣いて、人間のクラースが「私はもう会えないな」と今生の別れを覚悟している2人の差が、すごくいい味を出している。
このエンディングのしっとり感、なんだかやたらと心に残る。
ダオスの最期を含め、徹底して「世界を救って幸せになる」という終わり方じゃない。最初から最後まで、唯一無二のまま走り切った。であるがゆえに、絶対的な存在になった。
偉大な1作目ではあると思うけど、「オリジン」じゃないと思うんです。どれだけ後に続くものが現れても、ずっと「祖龍」として君臨し続けている。それが、それこそが『テイルズ オブ ファンタジア』の特異性。
……って、まだテイルズ3作しかやってないのに気が早すぎるかも。同時にここから生まれていった作品がどうなってるのか、むしろ楽しみになりました。この祖龍に対して、後続がどう戦ったのかが気になる。
なので、もうちょっとだけテイルズやると思います。
引き続き、よろしくお願いします。



コメント
6プレイお疲れ様でした。ファンタジア私も大好きな作品なので選んでいただけて嬉しかったです。
まだテイルズ続けられるとのことなので、機会有れば是非リバースもプレイなさって見て下さい。。
アビスとかシンフォニアと違ってメンバー全員普通というか常識人なので、逆に一風変わったストーリーを楽しめると思います。
戦闘は慣れるまで難しいですが、「隊列」をとにかく全員隣接させて技使わせまくればなんとかなります。
SFCのファンタジアは同人ノリというかパロディが多かったため、PSで軌道修正しているのも面白ポイントですね。桃ん賀流のお鈴と伊賀栗流のすず……
まあ実の所PS移植はシリーズ3作品目であるため戦闘の話はさておき、話が差別とかになるのは初代の影響なのは間違いないでしょう。
P、D辺りのころはコンボ繋げてね!というゲームだったので無限コンボ当たり前になっています。攻略本でも壁ハメ無限コンボでレベル上げについて書いてあった記憶。まあそのハメ強しの風潮をどうやって崩すのかというのがテイルズの抱え続ける命題なのですが……
はじめまして。
ふと見つけて読ませていただきました。
確かにクレスくん頑張ってたなぁ、という懐かしさを感じました。
個人的には本当の最初であるSFC版のテイルズもプレイしてほしいと思います。
PS以降では当たり前に出来ているOPや戦闘の声等をSFCのスペックをフルに使った当時の衝撃は今でも忘れられません。
操作性やグラフィックなどはPS版には劣るかもしれませんが、何度もプレイしたSFC版を推してしまいます。
もし機会がありましたら触れてみてください。
ベルセリアまでやってくれるのを期待してます。あれが戦闘とシナリオいちばん好きなので