嘘の夢の話 10月31日
近所の、毎日のように通っている道に蕎麦屋があることに気付く。新しく開店した風でもなく、店構えはいかにも老舗といった感じで、なぜ今まで気付かなかったのだろうと思い入店する。外観同様、店内も昔からずっとそのままと思わせるような古風な雰囲気だ。が、椅子が全てロディである。少し不安に思いながらもロディに腰掛け、天ぷらそばを注文する。
店内には私の他に3人組の男の客がいて、そのうちの一人が何か悪いことをしたらしく、他の二人から説教を受けている。怒られている男は反省しているというよりふてくされており、机の下でずっと練り消しのようなものをこねている。この3人組はしばらくすると店から出て行く。
彼らが座っていた卓の下に、あの男がこねていた練り消しが落ちているのに気付く。拾ってみると、それは練り消しではなく、真っ黒な石である。人間の握力でこねられるものではない。ちょうど天ぷらそばが運ばれてくるが、この事実が恐ろしすぎてそばの味が全くわからない。
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