嘘の夢の話 11月2日
空港で飛行機の時間を待っている。売店に立ち寄るとソフトクリームが売っていたので注文する。完成まで少し時間がかかるらしく、その間にロビーを端から端まで歩いてみようと考える。
大きなターミナルには活気があふれ、お土産屋やレストランが立ち並んでいる。だが端へ向かうにつれ徐々に人気が少なくなっていき、まるでシャッター街のように閉店した店舗が連なるようになる。照明もどんどん暗くなり、やがてスマホのライトを使わなければ進めないほどになる。ライトで照らされた地面にはマンホールや側溝の蓋が無数に敷き詰められている。
やがて行き止まりと思われる場所にたどり着く。そこはライトで照らしても何も見えないほど真っ暗で、空港の構内なのか屋外なのかもわからない。ひんやりした風とともに、唾液が乾いたような嫌な臭いが漂ってくる。私は元来た道を引き返す。明るいロビーに戻って時計を見ると、たった1分ほどしか経っていない。最初の売店に行っても、まだソフトクリームはできていないと言われる始末である。
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