嘘の夢の話 11月6日
知らない街の商店街の入り口に立っている。商店街の人たちは、なぜか私が常連客であるかのように気さくに接してくれる。私は商店街の脇道を曲がったところにある一軒の家の前で足を止める。ごく普通の一軒家だが、昔にどこかで見たことがあるような家だ。
その家の前に立っていると、中からそこの家族らしき人たち(30代くらいの夫婦、小学生くらいの女の子、おじいさん)が出てくる。彼らは私を見るなり笑顔になって、本当の家族のようにいろいろ話しかけてくる。私は戸惑うが、だんだん自分がこの一家の一員であるような気がしてきて、最後にはなんていい家族に恵まれたんだと泣きそうになる。
晩ご飯ができるまでの間、私は自分の部屋(と言われた部屋)に戻っていることにする。しかし、その部屋の扉を開けると、そこには何もない。家具や物がないということではなく、壁も床も天井もない、宇宙の果てのような空間が広がっているだけだ。しかもその無の空間全体が風に煽られるようにゆっくりと揺らいでおり、それを見ているうちに気持ち悪くなってきて床にしゃがみ込む。背後の階段を上ってくる足音がし、家族の誰でもない声で「もう来ないでください」と言われる。
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