嘘の夢の話 11月17日
ビンゴ大会に参加している。私は早い段階でビンゴを達成するが、目立ちたくないので黙っていることにする。しかしお節介なことに、隣に座っている人が私の手元を覗き込んで「あれっ、ビンゴじゃないですか」と大声で言う。会場にいる全員が一斉にこちらを向き、私は司会者に促され壇上に上げられる。
他の参加者たちは私がビンゴしたことが悔しいのか、まるで今にも飛びかかってきそうな敵意に満ちた目で私を見つめてくる。なのに司会者は呑気に「それでは優勝者から一言お願いします」と言ってマイクを差し出してくる。私は参加者たちの圧にうろたえ、なんとか彼らから同情をもらおうと、父親が新興宗教にはまって家庭が崩壊したという嘘の身の上話を語る。これが効果てきめんで、先ほどまでギラついていた参加者の目には涙が浮かび、話し終わる頃には「よく頑張った!」「あんた立派だよ!」と喝采が飛び交うまでになる。私は万雷の拍手を背に会場を立ち去るが、後になってビンゴの景品を受け取っていないことに気付く。


コメント