嘘の夢の話 11月27日
駐輪場の片隅に井戸が掘られている。水を汲み上げてみようと釣瓶を引くが、手応えが異様に重い。それでもなんとか頑張って引き上げると、桶の中には黒と白の粉が山盛りに入っている。
駐輪場にブレーキのきしむ音を立てながら自転車が入ってくる。乗っているのは痩せこけた小柄なおじさんで、ゲゲゲの鬼太郎に出てくる子泣き爺そっくりの見た目をしている。彼は駐輪場に入ってきてからずっとこちらを凝視しており、自転車を駐めると私の方にやってくる。そして何も言わず桶をひったくり、黒と白の粉を頭からかぶる。おじさんは悲鳴をあげて地面をのたうち回り、その体は眩い光に包まれ始める。やがてその光が薄れていくと同時に、おじさんの姿形も消え失せていく。彼が完全に消えた後の地面を見ると、かすかに「さよなら」と読める染みが残っている。


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