嘘の夢の話 11月29日
どこか暗くて狭い場所に横たわっている。身動きを取ろうにも体のすぐ両脇に壁があって動けない。ただ通気口はあるのか、足元の方から時折ひんやりした風が吹き込んでくる。
しばらくすると地面ががたがたと揺れはじめ、自分が自分の入っている入れ物ごと移動しているのだとわかる。何も見えないので確信はないが、どうやらかなりのスピードで移動しているようだ。地面の揺れもどんどん小刻みになってやがて感じられなくなり、自分が移動しているのか止まっているのかもわからなくなった頃、足元の方から光が差し込んでくる。そして私は今まで閉じ込められていたものの外に脱出する。
その場所はまるでおとぎ話の世界に出てきそうな、森の中の泉のほとりである。水面は静かに澄んで、辺りからは鳥の声と風の音しか聞こえてこない穏やかな場所だ。だが私はなぜか閉じ込められていた時より体が疲れていて、そこに寝そべったまま起き上がることができない。ただ空を眺めていると、何かがこちらに向かって泉を泳いでくる音が聞こえる。泳いでくるものが私に危害を加えようとしていることも私にはわかる。しかし私は立ち上がって逃げるどころか、少し顔を上げてその姿を見る気にすらならない。


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