嘘の夢の話 12月14日
古めかしい民家の板張りの廊下を掃除している。だいたいは綺麗になったが、一部に染み付いた黒っぽい汚れだけはどうしても取れない。どうしようか考えた結果、汚れた部分を削り取ればいいと思い、彫刻刀か何かがないか家の中を探し始める。しかしどこにもそれらしいものは見当たらず、代わりに台所から中華包丁を取ってくる。刃を床板にあてがい滑らせてみると、まるで大根の皮を剥くようにぺろんと汚れを削り取ることができる。
面白いのでどんどん汚れを削り取っていると、玄関をノックする音が聞こえる。見ると磨りガラスの引き戸の向こうに人影があり、どんどんと戸を叩いている。私はなんとなく嫌なものを感じ、訪問者から死角になる位置に隠れてそいつがいなくなるのを待つ。やがて影が消えたので外の様子を窺うと、玄関の横にザルいっぱいに入った柚子が置いてある。それで私はさっきの人が良い人だったと知り、むやみに疑ってしまったことを反省する。


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