- 1◆iGjCJthFblL725/08/12(火) 20:56:47
レース当日、担当のステイゴールドは控え室で勝負服に着替えていた。
「待たせたな」
「おうって、ジャケットちゃんと羽織れって」
「ん〜、コレちょっと持ってて欲しい」
「……なんで?」
勝負服とは文字通りウマ娘達が己の全力を以て勝負に挑む際に着る服だ、それ故にトレーナーに触れさせるのも神経質になって嫌がる娘も居る程だ。
「なぁいいだろ、アタシが良いって言ってんだから」
「まぁ良いけどさ……」
俺はステイゴールドからジャケットを受け取り地下バ道をカツン……カツン……っと足音を響かせながら歩いていた。
「今日は雨降ってるんだからそろそろジャケット着な」
「うん?あー分かったよ」
俺はステイゴールドにジャケットを渡し、彼女はバサッと広げ袖を通した。
「んじゃ、行ってくるよトレーナー」
「あぁ!行ってこい!」 - 2◆iGjCJthFblL725/08/12(火) 20:57:53
♢
雨水が体を打ち、風が体を切るレース中に私は感じる。
(……こんな雨の日だってぇのに、どうして〝アンタ〟を強く感じるかね)
冷たい雨で感じない筈の彼の匂いがジャケットから香ってくるのは私の嗅覚故か、それともただの錯覚か。
「けどソレは関係ねぇな」
そう、関係無いのだ。本当に彼の匂いが付いてるのかどうかは関係ない、問題はソレを感じているという事だ。
「昂って仕方ないなッ!」 - 3◆iGjCJthFblL725/08/12(火) 20:58:38
♢
レースが終わりタオルを持ってステイゴールドを迎え入れる。
「おかえりステ、コレでとりあえず拭いて」
「分かった」
「はいっておわ!?」
ステイゴールドはタオルを取ったと思うと俺の手を引きそのまま抱き合う形になってしまった。
「ん〜……よし満足」
「そうか、俺は急な事でびっくり仰天だよ」
「びしょびしょで私とオソロイになったんだからいいじゃないか、俺はシャワー室行ってくるから」
「おう、風邪ひく前に早く行ってこい……控え室のドライヤーで乾かすか」
俺はステイゴールドを見送ってから控え室に向かった。
♢
私はシャワーを浴びながらアイツの胸元に飛び込んだ記憶を思い起こしていた。
「……昂ったり落ち着いたり、色々と便利な香りだな。ん?」
鏡を見ると、いつの間にか頬の力が抜けている自分の顔が映っていた。
「まったく……我ながら、締りのない顔を〝させられちまった〟な」
愛しき同行者に魅入られた事実に照れくさく笑ってしまった。 - 4◆iGjCJthFblL725/08/12(火) 20:59:39
おわり
- 5二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 21:00:48
ニヤケ顔から戻らないんだ
俺の顔を返してくれ - 6◆iGjCJthFblL725/08/12(火) 21:01:01
- 7◆iGjCJthFblL725/08/12(火) 21:02:02
- 8◆iGjCJthFblL725/08/12(火) 21:06:55
感想ありがとう!にやけてもらえて嬉しいよ
- 9二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 21:07:54
ステゴの距離感えぐい…雨と匂いでさらに刺さるやつ
- 10二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 21:33:56