道路陥没をわずか一晩で奇跡の復旧 博多駅前事故の教訓いかした福岡市の果断と巧みな連係
■予兆の把握困難
市中部下水道課の中田啓介課長は「けが人がおらず、関係機関と連携できたことや、復旧方法を迅速に決定したことで早期復旧ができた」と説明する。作業が途切れないように段取りを組んで順次実施し、会議は開かず現場を中心に市の担当者が関係者と対応を共有。翌日の通勤ラッシュの時間帯には交通規制を解除できるよう尽力したという。
市は近くに埋設された雨水管と別の管をつなぐ工事の際に接続部分に隙間が生じ、雨水管に大量の土砂が流入したことで地下に空洞ができたことが今回の陥没事故の原因と結論づけた。再発防止策として、トラブルを把握した時点で専門家に意見を仰ぐことも決めた。
市はJR博多駅前での事故も教訓に陥没を未然に防ぐ対応に力を入れており、地下の空洞をレーダーで調べる探査車の巡回などを実施している。それでも把握できないケースもあり、7月にも福岡市中心部の渡辺通りで市道の一部が陥没した。
市内で路線バスを運行している西日本鉄道の林田浩一社長は「(道路の陥没は)社会全体の問題であり、管理者を責めるのではなく、予兆を感じたら情報を共有する取り組みが肝要だ」と指摘。バスの下にセンサーを付け、道路の異常を検知するシステムをIT事業者から提案されることもあるといい、「費用負担の問題はあるが、自治体との取り組みで協力できるところがあればやっていきたい」と語った。(一居真由子)