嘘の夢の話 1月18日
外から風鈴の音が聞こえる。私はひどい二日酔いで動きたくないのだが、その音がやたらとうるさいのでベランダに出る。しかしそこには風鈴などなく、ベージュ色の巾着袋が物干し竿にぶら下がっているだけだ。何か音のするものが入ってるのかと思い、私はその中を覗いてみる。
袋の中には、ファンタジー世界を舞台にした作品に出てくるような酒場の光景が広がっている。さまざまな種族が同じ卓を囲んで酒を酌み交わし、露出度の高い格好をしたエルフっぽい女性たちが給仕をしている。私は慌てて顔を上げ、周囲を見回してから再び袋の中を覗き込む。やはり同じ酒場が見える。だが今度は、さっきより人間の率が増えている気がする。人外にしても獣耳が生えている程度の獣人といった、人間と大して見た目が変わらない連中しかいない。私はまたしても顔を上げ、少しの間をおいてみたび袋の中を見る。だがそこにはもう酒場はなく、「手が開かなくなる催眠術」みたいな映像が見えるだけである。


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