嘘の夢の話 2月26日
照りつける太陽の下、農場で落花生を選別する作業をさせられている。現場を仕切っているのは将棋の駒のように角ばった顔をした男で、作業員たちのミスや手抜きを目ざとく見つけては、手にした碇型の武器で彼らを打ち殴っている。しかし私にだけは妙に優しく、水を分けてくれたりうちわであおいでくれたりする。その度に他の作業員から憎しみのこもった視線が向けられるのでかえってやりづらい。
作業を続けていると召集のアナウンスがかかり、私たちは農場の隅にある牛舎のような建物に向かう。何やらトラブルが発生しているらしく、先に集まっていた作業員たちはざわついている。人波をかき分け前の方に進むと、あの現場監督の男が巨大なコンニャクのようなものに全身を縛りつけられている。一応生きてはいるようだが、ぐったりとして精も根も尽き果てたという感じだ。作業員たちは口々に「これはひどい」「何もそこまでしなくても」などと言うが、誰一人として男を助けようとはしない。私は自分の背中に視線が集まっているのを感じる。振り向くと、作業員たちは皆人形のような空虚な目で私を見つめている。再び前に向き直ると、さっきは気付かなかったが、コンニャクはぶよぶよと蠢いて男を自らの内部に取り込もうとしている。


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