嘘の夢の話 3月1日
家族で食卓を囲んでいると、父が突然「木の“うろ”を塞いどかないとなあ」と言い出す。「え?」と聞き返しても父は困ったような表情を浮かべるばかりで、なんとなく私がそれをやらなければならない空気になってしまったので、食事中だが仕方なく庭に出る。
庭に立っている木々のうろにガムテープを貼って食卓に戻り、父に報告すると、彼は満足そうにうなずいて朝刊を手渡してくる。よくわからないままページをめくっていると、ある記事が赤ペンで囲われている。そこにはまごうことなき父の写真が掲載されていて、記事の見出しには「駐在所から犯人脱走 家族が逃走を手助け?」とある。私は紙面からゆっくり顔を上げ、父の方を見る。父はかぼちゃの煮物にマヨネーズをつけて食べている。


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