嘘の夢の話 3月11日
終電を降り、駅を出て自宅を目指す。明日も早いので寄り道せずさっさと帰らなければならないのだが、道中で自販機を見つけるたびになぜかミルクティーを買ってしまう。別にミルクティーなど飲みたくないし、給料日が近くお金がないので無駄遣いしている場合ではない。しかし自販機を発見するたびに、私は蛾のようにその光に引き寄せられてしまう。自販機はそこらじゅうに林立している。
やがて買ったミルクティーが抱えきれないほどの数に達したので、私は一旦それらを全て地面に置く。すると、坂道でもないのにミルクティーの缶はゴロゴロと勢いよく転がりだす。けたたましい滑走の音が町中に響き、家々の窓から眠りを妨げられた人たちが顔を出す。私は彼らに見つからないようにほふく前進で夜道を行き、なんとか自宅のマンションまでたどり着く。だがエントランスに入ろうとした瞬間、一気に辺りは明るく騒がしくなり、次の日が始まってしまう。


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