10か所以上刺され小学5年の息子は殺害された‥加害者から謝罪の意思も未だ進展なく父親が再び問いかけ「一体どうなっているの?」事件から10年で決意
2015年、和歌山県紀の川市で当時小学5年の男の子が殺害された事件。事件から10年が経ち、遺族は加害者に辛く悲しい思いを伝えた。「謝罪の手紙を書いて送る」と伝えてきた受刑者だが、一向に遺族のもとに連絡はない。意を決して遺族は再び制度を使って受刑者に問いかけた。 【画像を見る】亡くなった森田都史くん
「ズタズタで見せられない」10か所以上刺され息子は殺害される
和歌山県紀の川市に住む森田悦雄さん(77)。森田さんは最愛の息子が、自宅近所にある空き地で奪われた。小学5年生だった森田都史くん(当時11)。都史くんは2015年2月、刃物で頭や体など10か所以上刺され殺害された。 (森田悦雄さん)「体はズタズタやから見せられないとそんな風に言われた。普通では考えられないぐらいひどい傷やって。(肩から)下まで包帯がぐるぐる巻きやった。あれだけ突かれて救急車来た時に心肺停止状態、即死に近い状態だった」
切り裂かれたジャケット‥今も残された事件の跡
森田さんの自宅には、当時都史くんが着ていたダウンジャケットが残っている。ジャケットには、複数の箇所が切り裂かれ、一部に血が付くなどの状態で残されている。都史君の傷は心臓にまで達するものもあったという。 「手を握り続けていたが徐々に冷たくなりつつあったので、『私の手から離れていくな』と感じていました。今までよう頑張ってくれてありがとうと耳元で言いました。何であんなことをほんまに…」
殺害したのは近所に住む男 1円たりとも賠償も払われず
逮捕されたのは近所に住んでいた中村桜洲受刑者(32)。殺人罪などで懲役16年の実刑判決を受け服役している。刑事裁判中から含めて、受刑者側から森田さんへの謝罪の言葉は一度もなかった。 一方、森田さんは中村受刑者に対し損害賠償を求める裁判を起こし、約4400万円の賠償が認められている。しかし受刑者側からこれまでに1円たりとも支払われていない。 (森田悦雄さん)「直接都史君のことをみているわけです。あれだけむごいことをして、そんな涼しい顔で…」「地に頭をつけてすりつけてでも謝るのが普通やって。自分がそれだけ大変なことをしたという自覚があまりないかなと」 森田さんはこれまでの民事裁判での費用などおよそ40万円を約6年かけ分割で支払い続け、ようやくおととし末に支払いが終わった。しかし新たな不安が残っている。このまま支払いがされなければ、10年で時効を迎えるため、森田さんが再び提訴しなければならないからだ。
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