嘘の夢の話 4月5日
崖際に立って海を見下ろしている。海にはエアコンが浮かんでおり、打ち寄せる波に煽られてくるくる回転している。ふと背後に人の気配を感じ振り向くと、そこにはくたびれた感じの男性が立っている。身なりは比較的きちんとしているが、よく見ると口元に無精髭が生え、目の焦点も合っていない。私は男の顔を見ながら少しずつ移動し、彼の背後をとることに成功する。男は私の動きの反応することもなく、ただ同じ場所に立ち続けている。
突然、海の方から大きな汽笛が聞こえる。だが、海を見渡してみても船は一隻も見当たらない。そして、気づくと男はいなくなっている。まさかと思って崖の下を見下ろしてみると、エアコンの横あたりにさっきまでなかった小さな棒切れのようなものが浮かんでいる。私の視力ではそれがあの男なのかはわからないが、おそらくはそういうことなのだろうと思う。しかしだとすれば、あのエアコンの大きさは10mくらいあることになる。
コメント