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NHK大阪 嶋田ココアナウンサーの就活 面接対策は“自分の深掘り”

NHKアナウンサーの就活⑤嶋田ココアナ
  • 2024年12月12日
  • 嶋田 ココ
  • 大阪放送局/「ほっと関西」キャスター

テレビやラジオに出演するNHKアナウンサー。学生時代はどんな就職活動(就活)を行っていたのか?就活中の学生の皆さんに送るメッセージは?シリーズ5回目はNHK大阪放送局で夕方のニュース番組「ほっと関西」のメインキャスターを務める嶋田ココアナウンサーです。

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原点はミュージカル

もともと小学生のときからミュージカルを習っていて、自分のことばで表現することが好きだったんです。何か表現する仕事がしたいなと思いながら大学生になって、「アナウンサーだとナレーションなども出来るし、いいかも」と思ったのが、就職でアナウンサーを目指すようになったきっかけでした。

小学生から始めたミュージカル

就活で自分の好きなものを深掘りして考えていくなかで、ミュージカルでは“自分ではない誰かになれる"ことがすごく楽しかったのだと気づきました。自分ではない誰かの気持ちとか、人生に触れることが好きなんだなと思ったんです。アナウンサーは誰かになるわけではないですが、人にインタビューをして「この人はどんな人なんだろう。どんなことを経験して、なぜその考えに至ったのだろう」とか、そういうことを知ることができる仕事だと考えました。今振り返ると、好きだったミュージカルと夢だったアナウンサーには、そんな共通点があったのかなと思います。

大学では47都道府県巡り

私が就活でアピールしたのは、大学生のときに47都道府県全てを巡った経験です。就職試験でも「日本地図全部書けますか?」という問題が出ることがありますよね。それを見て「確かに書けはするけど、いまいちイメージがわかないな」と思ったんです。そこで「全部行ってみたら、ちゃんと覚えられるかな」と思ったことがきっかけで、電車と車と民泊を使い、友人と一緒に旅の企画をしました。

青森県八戸の市場にて

実際に47都道府県を巡って感じたのは、「ひとつの地域にとどまることはもったいないかもしれない」ということです。その土地その土地に、そこにしかない魅力があって、私には知らないことがこんなにあるんだと気がついたんです。自分もその土地に住み、見えたことを伝えたいと思ったことが、放送局のなかでも全国転勤のあるNHKで働いてみたいと思ったきっかけになりました。

広島県の宮島にも行きました

NHKならではの面接

NHKの面接で特徴的だと思ったのが、面接より面談のような雰囲気だったことです。NHKの面接官は「私はこう思うんだけど、あなたはどう思う?」というように、こちらのことばを引き出してくれるというか。私のことを知ろうとしてくれているんだなと感じました。これは働いていても感じることですが、NHKの人はみんな、人に対しての好奇心が強いなと思っていて。面接でも、言ったことを間違いとか正解とジャッジするのではなく「あなたはそういう考え方をするんだね、おもしろいね」と、深掘りしてくれる印象でした。

自己PRなどで、初めは“インパクト=個性”と捉えていましたが、NHKでは“物事に対して自分がどう感じるか”が個性として見られていると感じました。「こんなすごい経験をしました」というよりも、日常のささいな出来事でもいいので、そこから自分が何を学んで、どんな感情になって、何を伝えたいと思ったのかを深掘りすることが大切だと思います。NHKの面接で覚えているのが「何のニュースに関心がありますか?」という質問に加えて、「あなたならどう伝えますか?」という点を深く尋ねられたことです。関心だけで終わらず、その先に“自分ならどんな角度で伝えたいのか”までしっかりと聞かれるのは、アナウンサーも取材するNHKならではと感じました。

面接の練習で一番よかったのは、父に指導をしてもらったことです。私の父は普通の会社員だったので、“アナウンサーっぽく話そう”としてしまう私に、「え、なにそのしゃべり方。ちょっと変じゃない?」という形で指摘してくれました。そのアドバイスがあり、自分らしく、自然に面接に臨めたと思います。
就活が進むなかで、面接で落ちてしまうと自分が否定された気持ちになることもあると思います。私も何度も心が折れそうになりました。でも自信のなさはすぐに見抜かれてしまうし、腐っていてもいいことなんて一つもないなと思ったんです。なので、例えば最終面接まで進んでいたのなら「この会社の最終面接までの人は、みんな私と働きたいと思ってくれたんだ」と考えたり、自分で自分をだますくらいの気持ちでポジティブにいようと心掛けていました。

自分の思いは誰かに届く

入局して最初の赴任地は長崎放送局でした。初めはとにかく企画を作るのが苦手で、誰かに届くものを自分なんかが作れるのだろうかと不安だったんです。転機となったのは2年目の春、長崎のとある歌劇団の取材でした。学院生たちはコロナ禍で入学し、卒業してやっと初の舞台に立てる、そんな瞬間を追ったリポートでした。この人たちの思いを伝えるためにどうすればいいのか・・・頭を悩ませましたが、私自身もコロナ禍の入局で、当時「これからどうなるのだろう」と不安を感じていて、共感することが多かったんです。そこで「自分を励ますつもりで企画をつくろう」と思い、自分の不安や感情とリンクさせて作ったら、周りからとても評判がよく「あの企画よかったね」と褒めてもらって。私の心が震えたことや感じたことは、自分だけじゃなく、同じように思う人がきっといるんだと思えた瞬間でした。

長崎放送局3年目 ラジオ番組で取材した
井黒キヨミさんとおいの井原和洋さん

そして長崎で3年目に制作したのが、被爆者の女性を取材したラジオのドキュメンタリー番組です。私は被爆後に生まれた世代なので、同世代の関心が低い人たちに、自分が伝えられることは何だろう問い続けながら制作しました。取材したのは、被爆後から毎日、日記を書き続けてきた当時96歳の女性です。被爆当時の恐怖や悲しみは多くの人が知っていることだと思いますが、その方がその後の長い人生で、女性としてどんな苦しみを抱え、つらいことがあったのか。自分が取材を通じて心を動かされたことにフォーカスして番組を制作しました。
番組放送後、バレエスクールの先生がそのラジオを聴いたことをきっかけに、取材した女性をテーマにしたバレエの演目を作り上げ、公演を行ったと聞きました。自分が伝えたいと思ったことが、こんなふうに誰かに受け取られて、広がっていくのだと実感した経験でした。学生時代、アナウンサーはあまり個人を出さないというイメージがありましたが、今は自分の感情や思いが求められる仕事なのだと感じています。

視聴者に寄り添う存在に

現在は大阪放送局で夕方のニュース番組を担当しています。一緒に出演している小山径アナウンサーは、テレビを見ている人が「今、それを聞いてほしかった!」というようなことを、毎回記者やゲストにズバッと伝えるのでとても尊敬しています。アナウンサーは視聴者に一番近い存在でいること、そしてわからないことはわからないと言う、その勇気が大切なんだと感じました。

大阪放送局「ほっと関西」でキャスターを務めています

放送がある日は、朝からその日に放送する企画の試写をするのですが、ディレクターや記者だけでなくアナウンサーも同席します。そこで「嶋田さんどうでしたか?」と一番初めに感想を尋ねられるんです。最初は年の離れた先輩たちがたくさんいるなかで、「経験の浅い私が何を言えるだろう・・・ばかな質問しちゃったら恥ずかしいな」と思ってしまって。でも、20代の等身大の私が感じることは、きっと視聴者の方も感じることだと信じて、小さな違和感や疑問も見逃さずに目を向けたいと思っています。

等身大の自分を大切に

就職活動をする学生さんに伝えたいことは、“面接官は敵じゃないよ”ということです。あなたがどういう人で、どんな人生を歩んできたのか、そういうことを知りたいと思ってくれている。だから安心して臨んでほしいです。面接官は皆さんよりも年上だと思いますが、無理にその人たちの世代に合わせようとする必要はないと思います。むしろ今の若い学生が何を感じて、どんなことに関心があるのか気になっていると思うし、面接官の世代の人が知らないようなことも、皆さんはたくさん知っていると思うので、ぜひ等身大の自分を大切にしてほしいです。

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嶋田 ココ

大阪放送局/「ほっと関西」キャスター

●2020年入局 (長崎⇒大阪)
●「イブニング長崎」(長崎県域)や
 「列島ニュース」などをこれまで担当。
●現在は「ほっと関西」を担当。

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