嘘の夢の話 5月7日
喫茶店で会計をしていると、レジの奥にある電話が鳴り出す。店の人は他の業務で忙しそうだったので私が代わりに出ようと電話の元に向かうと、それは今時珍しい黒電話である。私は黒電話を使ったことはないけれど、プッシュホンと大して変わらないだろうと考える。だが、まず受話器を取ることができない。受話器と本体がパズルのように複雑に組み合わさっており、決まった方向にスライドしないと取り外せない作りになっているらしい。私は試行錯誤するが、受話器はびくともしない。
そんな私を見かねたのか、喫茶店の店主がこちらにやって来る。助けてくれるのかと思っていたら彼は私を怪訝な面持ちで見やり、「あなた何してるんですか」と言う。「電話が鳴っていたので……」と今までのことを説明しようとするが、「いや、鳴ってないじゃないですか」と言われてしまう。確かにその時にはもう電話は切れてしまっていたけれど、ついさっきまで鳴っていたのは事実だ。しかし私にはそれを証明することができない。ここで色々議論になるのも面倒なので、私は不審者の汚名を被ったままおとなしく退店する。私はどうすべきだったのだろうと思い、このエピソードを毎週聞いているラジオに投稿してみることにする。


コメント