シャーデンフロイデ
ある日私はいつも行かない商店街に行ってみようと思い3つ隣の駅の商店街へ向かった。「ヘナ揉み商店街」と書いてある。電柱に名前の由来が書いたポスターが貼ってある。どれどれと見てみると「毛染めのヘナを揉もうという気概の商店街にしよう」という何回読んでも理解できない説明が書いてあった。角刈りのパパイヤ鈴木がプリントされてあって下に「邪魔者」というルビがふってあってその横に稲刈りの鎌もプリントされていて、そっちは「ヘナ揉み商店街 親善大使」とルビされていた。鎌の方が優遇される町、私はいても立っても居られなくなり商店街へ足を踏み入れた。
「高いよ高いよー!!頑張ったから高いよー!!!」
入るや否や威勢のいい声が聞こえてきた。声の方に顔を向けるとそこには、
「革命精肉店」と書かれた店があった。元気よく声を出している店主は真っ赤に髪を染めていて中国のパチモンみたいなアラレちゃんのピンバッチを顔に直接刺していて額に「シャーデンフロイデ」と書いてあって服は精肉店だった。スマホで「シャーデンフロイデ」を検索してみたら「自分が手を下すことなく他者が不幸、悲しみ、苦しみ、失敗に見舞われたと見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い感情」と出てきた。私は知らぬ間に溜まっていた唾をのみ込み意を決して「革命精肉店」に入ることにした。
「すいません、ここはなんのお店なんでしょうか?」私がそう店主に聞いた。
店主「あいよいらっしゃい!!!あんちゃん良い眼してんね!!ここは革命精肉店!私がまず獣にめちゃくちゃ襲われるの!!めっちゃくちゃ!首とか噛まれながら何メートルも振り回されるくらい!で、相手の獣が『あ、もうコレ完全にイケるわ!』って勝ちを確信した瞬間にその獣を一発だけ思いっきり殴るわけ!!!その殴った部分”だけ”のお肉屋!!!!!!!!!!!!!!!」
私は理解が出来ないまま固まっていた。
店主「生物って油断してる時が一番肉が柔らかくて旨味が分散してるの!ふわふわ浮いてる状態。それを衝撃によって一気に一点に集中させることによって旨味がそこにぎゅ~~~~~~~って凝縮するんよ!!!!!!!あまぁ~いの!!他の部分はいっっっさい味しなくなる!!色もその殴った部分以外真っっっ白になる!!切っても血も一滴も出ない!!!”全て”の”旨味と栄養”がその”殴られた部分”に集まるから!!それが『革命肉』!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!そのためにはギリギリまでやられないといけない!!頑張ってるんだから!!」
恐怖ですこし両手が痺れてきた。効果音で言うと「キラキラキラ」みたいな感じで痺れてきた。ディスプレイに目を向けると拳大に切った色々なサイズの肉が「猪、頬20センチ」や「サメ、腹15センチ左(いつもは無いよ!
)」と書かれたそれぞれの銀トレーの上に丁寧に並べられていた。それぞれのトレーの近くにプレバトの俳句の先生、夏井いつき先生と梅沢富美男の永遠に首がぐらぐら動くおもちゃみたいな人形がマスコットみたいに置かれていた。私は早く何か買ってここを去ろう、そう思い「じゃあ…この豚の背中18センチ、200グラムください。」と言うと「どれだい?」と言いながら怖い顔をして店中から出てきて私の裏に回り出刃包丁の柄の方で私の後頭部を一突きした。私は気絶してしまった。
目を覚ますと私は天井、壁、地面が全てドクターペッパーのデザインになっている部屋に居た。私は椅子に座らされていて目の前の机にイラストレーターが使っているような液晶のタブレットとペンが置いてあった。後頭部を触るとコブができている。
ピ――ーーーッ!!ガガガ!!!!!!
店主「シャーデンフロイデ・・・・・・・・・」
天井のスピーカーから突然声がした。あいつだ。
店主「我々は、10年前この世界に『紛れもの』が紛れ込んでるという真実を掴んだ。『紛れもの』とは、この世界とは別の多元に存在する平行世界のモノが、なんらかのバグでこの世界に紛れ込んでしまったイレギュラーなモノである。我々の目的は『紛れもの』を全て見つけ、本来の姿を探し出す事。例えば島田紳助、リーゼントの彼は平行世界の島田紳助である。第5250平行世界の紳助である。我々はそれを突き止め、さらに本来の姿を探し出し、本人に提示、その後彼はショックで芸能界を辞め、本来の長髪サーファー姿になった。あの姿こそが本来この世界線における紳助なのだ。
ドクターペッパーもそうだ。ずっと見ていて気付かないか?」
未来的でもあり、しかし懐かしさもある、ずっと見ていられるような色づきをしていて吸い込まれそうになる。まるでゲームの世界のモノのような他の世界に存在するかのようなデザイン。。
店主「そう、このドクターペッパーのデザインは第19782平行世界のモノである。貴様はこのドクターペッパーのこの世界線における本来のデザインを探し考え、見つけ出すのだ。」
スピーカーの店主の声はそこで途切れた。
なんだって??平行世界??本来のデザイン????店主に呼びかけてみるが返事は帰ってこない。
とにかく、この世界における新しいドクターペッパーのデザインを考えてあいつが納得することを願うしかない。それでしかここから出る術は無さそうだ。
私は液晶のタブレットを立ち上げ、拙い手つきでデザインを考え始めた。
1時間、2時間、5時間、一体どのくらいの時間が経ったのだろうか、窓も時計も無いので狂いそうになってくる。そして奇妙な事に天井、壁、地面のドクターペッパーを見ていると時間が経つにつれ頭が麻痺をして来てこのデザインがこの世界のモノではなく、あいつが言っているように本当に違うどこかのモノかもしれないと思い始めていた。そして、そう考え始めた途端アイデアがぽつぽつと沸き始めた。気持ち次第とは言ったものである。私なら、いや、私にしかこの大役を成し遂げる者はいないかもしれない、もうそこまで思い始めていた。私は一心不乱にデザインを模索し始めた。途中ハトの被り物をしている誰かが「カラスの後ろにはハトが居る」と言いながら入ってきて食事を置いていったが、手を付けずドクターペッパーのデザインを究極まで推敲していた。
出来た・・・・・・・・・!!!!
おい!!!!!!!!出来たぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!出てこい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ピ――ーーーッ!!ガガガ!!!!!!
店主「出来たか」
ああ!!!!!!!!!!出来た!!!!!!!!!!!!!この世界線におけるドクターペッパーのデザインを見つけた!!!!!!!!!!!!!!!!
店主「見せてみろ」
ああ!!この世界線におけるドクターペッパーのデザインは、、、、、
これだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
沈黙が続く。
おい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!どうなんだ!!!!!!!!!!!!!????????????????????????おい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
店主「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーハッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッハッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッハッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッハッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッハ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
何を笑っている!!!!!!!!!!!!!
バァン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ドアから入ってくる店主。
店主「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーハッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッハッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッハッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッハッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッハ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
愉快愉快!!!!!!!!!!!!!!!!!」
なんだ貴様!!!!!!!!!!!!!!!どうなんだ!!!!!!!!!!!!!!!!!このデザインはこの世界のドクターペッパーなのか!!?!?!??!??
店主「バカ言うな!!!!!!!!!!!この世界のドクターペッパーはこれだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
は??これは第19782平行世界のモノなんだろう!!!!??????
店主「そんなわけ無いだろう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!これが正真正銘この世界のドクターペッパーだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
どういう事だ!!?!?
店主「『紛れもの』なんて最初から無いんだよ!!!!!!!!!!!」
なに!?!?!??
店主「我々は貴様に無駄な時間を過ごさせたかった。だから架空の事実をでっち上げたのさ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
な、なんだと!?!?!?!??!??!?貴様は一体なんなんだ!?!?!?!?!?
店主「我々は『シャーデンフロイデ』!!!!!自分の手を汚さずに他人の不幸を喜ぶイタズラ集団さ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
くそーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!くそくそくそくそくそーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
店主「それを貴様は!!!笑」
店主「なぁんだこれは!!!!!笑」
クソーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ア”ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
店主「見ろこれを!!!!!!!!!!!!!!!!!!!笑
貴様が考えたドクターペッパーのデザインだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!笑」
(笑いながら液タブを押し付ける店主)
店主「シュワシュワした感じを出してるじゃないか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!笑 いっちょ前に!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!笑」
クソが―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
店主「だからモテないんだよ貴様はァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
クソが―――――――――――――――――――――――――――――――――ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
店主「仮に本当に平行世界があったとしても
店主「これじゃ無いだろ絶対!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!爆笑」
殺せーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!泣
今まで何も映ってなかったモニターにこめかみに中国仕様のアラレちゃんのピンバッチを直刺ししてる以外はハゲた普通のおじさんが映る。
店主「シャーデンフロイデさま!!!!!!!!!!!!!!」
ひざまずく店主
シャーデンフロイデ「よくやった。ギミアシェイク。」
涙する店主(ギミアシェイク)「ありがたき幸せ・・・・」
シャーデンフロイデ「後でアマゾンギフト券を授けよう」
ギミアシェイク「ありがたき幸せ!!!!!!!!!!!!!!!」
私はキレてギミアシェイクを投げ飛ばし、気絶させ外に出た。廊下に出て、すぐ横に部屋があって『シャーデンフロイデ様の部屋』という名札が貼ってあったので入ったらシャーデンフロイデが居た。「ダイアンの津田が好きなんだな」って感じの驚き方をしていた。(バタバタしながら「ふえあ!?ふぇぁ!?」みたいなやつ)私は30秒くらいそれを見てから投げ飛ばして気絶させた。パチモンのピンバッチを30回くらい抜いたり刺したりして思い切り蹴って外に出た。
私は悔しかった。
こんなもんじゃチャラにならないくらい悔しかった。
動かない方が良い日もあるのだ。


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