嘘の夢の話 6月1日
目の前を一頭のヤギが歩いており、私はそれについていく。私たちのいる道路沿いにはやたらと掲示板がたくさん立っている。掲示物の数や種類はそれぞれ異なるが、行方不明人捜索のポスターだけは必ずどの掲示板にも貼ってある。いなくなったのはハーフの女性らしく、何度もその人の写真を見たので顔を覚えてしまう。
掲示板からヤギに目線を戻すと、ふと強い不安に襲われる。私は目の前を歩いている動物を勝手にヤギだと思い込んでいたが、もしかしたらそうではないのかもしれない。もしこれがヤギに似た別の何かだとしても、私は見抜くことができないのである。一旦そう考え始めると全てが疑わしく思えてくる。ヤギにしては歩くスピードが速いのではないか、などと思いながらも私はやはりヤギの後をつけていく。ヤギは歩きながら糞をし、危うく私の靴につきそうになる。だが、このヤギの臀部には肛門が見当たらない。


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