嘘の夢の話 6月4日
友達の家に遊びに行くと、なぜか窓のない暗室のような部屋に通される。その部屋は常夜灯が点いているだけで薄暗く、床には一畳くらいの大きさの生け簀が掘られている。友達は「見かけより深いからを気をつけて」と言い、部屋から出て行ってしまう。
私は生け簀の中をしばらく観察するが、魚がいる様子はない。しかし時折、奥の方からくぐもった鐘のような音が聞こえてくる。部屋そのものの閉塞感とも相まって、その音を聞いているとひどく不安定な気分になってくる。私は部屋から逃げ出そうとするが、鍵がかかっているのかドアは開かない。必死でドアノブを回していると、突然外側からドアが開かれる。そこには友達とその弟が立っていて、二人とも唖然とした表情をしている。二人はそのリアクションのまま固まって動かないので、私は彼らの横を通り抜けて玄関へ向かう。靴を履き、出て行こうとした瞬間、部屋の方から「あいつは昔から抜け目ないんだよ」と聞こえてくる。


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