嘘の夢の話 6月5日
漁港で働いている。仕事の内容は水揚げされた魚を一匹ずつ調べ、変な魚を取り除いていくというものである。変な魚は体にT字型の出っ張りが浮き出ているのですぐにわかる。この日は漁網一杯分の魚の中に、20匹ほど変な魚が混ざっていた。私はそれらを別の容器に入れ替え、所長室へ向かう。
所長は七輪に火を点けて待っており、私たちは変な魚を焼いては食べていく。変な魚は見た目が悪いので売りに出すことはできないが、味は良いのである。さらにお腹にもたまらないので、二人で20匹分をペロリと完食することができる。これで今日の仕事は終わりなので帰ろうとすると、所長に呼び止められ「お前、いつまでこの仕事続けるつもりだ」と問われる。給料も良いしおいしい魚も食べられるので当分辞めるつもりはない、と答えると、所長は「そうか」とだけ呟く。これ以上話はないようなので私は部屋から出て行くが、その直後に部屋の中から銃声が聞こえてくる。


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